また、ウイスキー需要が落ち込んだときは、ハイボールの拡販を行うことで、ウイスキー需要を盛り上げる成果を生み出しました。
その当時の状況を簡易ですが3C分析で表すと、下記のようになります。
このハイボール成功の経緯については、サントリー社のホームページでも下記のようにまとめられています。
/「ハイボール」復活プロジェクト/(サントリー社 ホームページ)
https://www.suntory.co.jp/recruit/fresh/development/kakuhigh.html
このように、サントリー社は巧みなマーケティング戦略を行い、商品のブランド価値を向上させ、自社のブランド価値を高めることに積極的かつ精力的に動き、業績の向上と企業の成長に繋げてきました。
そのサントリー社が、今回犯してしまった過ちは、今後の企業イメージに対しても大きな影を落とすことになるでしょう。
ブランドの構築とブランド価値の向上は時間も費用もかかります。
なおかつブランドは定期的に活性化させ続けないと、その価値が低下してしまいます。
それにもかかわらず、ブランド価値は本当に一瞬で毀損されてしまい、一度毀損したブランドは簡単に回復することがありません。
毀損してしまったブランドは、どのように回復に取り組めば良いのでしょうか。
その点については、後編で検討していきたいと思います。
■武川 憲(たけかわ けん)執筆
一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会 エキスパート認定トレーナー
株式会社イズアソシエイツ シニアコンサルタント
MBA:修士(経営管理)、経営士、特許庁・INPIT認定ブランド専門家(全国)
嘉悦大学 外部講師
経営戦略の組み立てを軸とした経営企画や新規事業開発、ビジネス・モデル開発に長年従事。国内外20強のブランド・マネジメントやライセンス事業に携わってきた。
現在、嘉悦大学大学院(ビジネス創造研究科)博士後期課程在学中で、実務家と学生2足のわらじで活躍。
https://www.is-assoc.co.jp/branding_column/