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Case Study

ブランドリスク管理の重要性について  ーサントリー社に見る、ブランド毀損と影響と余波【後編】

投稿日:2021年11月20日 更新日:

前編では、サントリー社のブランド毀損に繋がる経営者の問題発言に関する経緯と、これまでのサントリー社のマーケティング・ブランド戦略について検証してきました。

後編では、毀損したブランドの回復について検討していきたいと思います。

サントリー社は、前編でも触れたようにBtoC企業だけでは なく、BtoBtoC企業でもあります。そのため、直接消費者である一般市民だけでなく、サントリー社の商品を扱う中間企業の小売業・卸売業・飲食業もステークホルダーとして意識する必要があります。

もし今回のように顧客に不信感を持たれる事象があった場合、一般的な企業の姿勢としては、迅速な謝罪とお詫び、そして今後の前向きな企業方針やその説明を丁寧に行うことが肝要となります。

また、直接的な説明責任を果たさずに、SNS等で言い訳のような釈明や、当事者以外による間接的なお詫びなどでお茶を濁すような、婉曲的なやり方をしないことが重要です。そのような対応をした場合、不誠実であるという誹りから逃れることができず、ネットでの炎上はより大きなものとなることでしょう。

この場合、上場企業であれば当然株価にも影響しますし、業績に問題が起きそうな場合は、経営責任を追及されることになりかねません。

これらの条件を満たした上で、改めてコーポレートブランドの再構築を行うことが必要となるでしょう。

では、コーポレートブランドはどのように再構築していけば良いのでしょうか。

方法としては、ブランド・アイデンティティを改めて定め、企業イメージを改善させることが始めの第一歩となります。

ブランド・アイデンティティは、企業が顧客からどのようにイメージされたいのかを明らかにし、競合企業との差別化を確立させ、自社をアピールするものです。

具体的には、顧客がハンバーガーを食べたいと思ったときに、マクドナルドやモスバーガーが連想され、購買対象として選択されるように顧客に仕向けるということです。

顧客に連想され、購買対象として選択されるためには、そもそも企業や商品のイメージが、顧客にとって良好なものであることが必須となります。

そこで必要となるのが、ブランド・アイデンティティです。

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