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NGT48の騒動が示唆する、ブランドの「事業継続計画」の必要性

投稿日:2019年4月12日 更新日:

JR東日本新潟支社は28日、広告に起用しているアイドルグループ「NGT48」との契約を、3月末の契約期限以降は、更新するかどうか保留すると明らかにした。メンバー山口真帆さん(23)が暴行被害に遭った事件など、グループの一連の騒動を受けて判断した。

会社によると、駅構内で同社主催のイベント広告に用いたポスターを撤去するほか、デジタルサイネージでの映像の掲示を4月1日から取りやめる予定だ。

今井政人支社長は28日の定例記者会見で「現段階で契約更新は考えていない」とする一方、今後については推移を見守る考えを示した。

共同通信 2019/3/28
JR東がNGT48契約更新保留 一連の騒動受け判断

運営を巡る混乱を招いていたNGT48が、崖っぷちに立たされている。新潟県は既に契約を保留しており、スポンサーの相次ぐ離脱により、このままでは運営側であるAKSの経営が厳しくなるのは必定の状況だ。

元々、AKB48は地域ブランディングを巧みに取り入れたことで、大きく飛躍したビジネスである。起点となった秋葉原は、アイドルの支持を得やすい土地柄であり、既に日本全国並びに海外での知名度を持つ地域ブランド。この土地で支持を得ることで、AKB48は全国区のアイドルとして成功を収めることができた。

芸能プロダクションAKSはこのビジネスモデルを地方で展開し、その土地の地域ブランドを掲げることで地域顧客を開拓し、販路を増やして支持を増やし、地域スポンサーを獲得して安定収入を確保。そしてその源泉を、メンバーの拡充等で再投資を行うというブランド・プラス・バリューチェーンを用いてビジネスを拡大させていった。発想としては、プロ野球やJリーグのフランチャイズ方式と通ずるところでもある。

しかし、今回はAKSの不手際もあり、地域ブランドを棄損することになった。そのブランド・マイナス・バリューチェーンは、顧客の支持を失い、販路が減少し、地域スポンサーが離れて、メンバーの離脱による縮小均衡が発生し、更に顧客が離れていくという「負の循環」を生み出すメカニズムと考えられる。この背景には、AKSでブランドに対する危機管理体制が、十分に検討されていなかったことで、このような事態を招いてしまったのではないか。

ブランドを用いてビジネスを展開する場合には、ブランドへの危機管理体制が必要不可欠である。平成時代は、日本の各地域で災害の発生が相次いだことを受け、企業内でのBCP(事業継続計画)の策定は進んだ。今後は、ブランドについてもBCP内に組み込むことを検討していくことが、ブランドビジネスを検討するうえでは欠かせないファクトとなるだろう。

 

武川 憲(たけかわ けん)執筆
一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会 シニアコンサルタント・認定トレーナー
株式会社イズアソシエイツ シニアコンサルタント

 

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