セミナー・実践会・相談会でブランド課題を解決する

話題の事例

まさかの“会話調”も登場。ネーミングはどこへ向かう?

投稿日:2019年7月24日 更新日:

「本日はお忙しい中、『まじヤバくない?』の内覧会にお越しいただき、ありがとうございます」

女性司会者のアナウンスで、高級食パン専門店「まじヤバくない?」の内覧会が幕を開けた。粉ものグルメが数多い群馬県の中でも、高崎はおいしいパン屋が軒を連ねる激戦区。近くには生食パンの有名店「乃が美 はなれ 高崎店」もある。2019年4月18日に開催された内覧会は注目を集め、地元紙の記者やグルメブロガーなど多くのメディアが集まったが、真顔で語られたその変な店名に吹き出す人は、1人もいなかった。

このパン屋をプロデュースしたのは、ジャパン ベーカリー マーケティング代表の岸本氏。外資系ホテルでベーカリーショップのマーケティングなどを担当した後、20代後半で退職して横浜の大倉山にベーカリーカフェ「TOTSZEN BAKER’S KITCHEN(トツゼンベーカーズキッチン)」を開業する。

日経クロストレンド 2019/7/2
変な名前の高級食パン店が増殖中 仕掛け人の狙いとは」

「ネーミングとは(ブランドの)ストーリー表現すること」とは、「Bunkamura」や「新生銀行」などの命名を手がけた岩永嘉弘氏の言だが、最近はストーリーから、さらに細分化され「センテンス」にまで分解されたようだ。

「まじヤバくない?」とはパン屋の店名らしさが全くない(というより、もはや屋号の常識から完全に逸脱している)ネーミングだが、この珍妙さこそが狙いか。単にインパクトばかりが強調される向きもあるが、このネーミングの妙は“会話調”にあるとみる。つまり、(初見の)消費者がそれが「店名」だと真面目にとらえないからこそ成立する、ネーミングとしてのフレッシュさがあるのではないか。

SNSなどの影響下のもと、日本語のコミュニケーションが変わりゆくなかで、ネーミングもまた変質しつつある。ただ、これが進化なのかどうかは分からないが……。

 

BRANDINGLAB編集部 執筆
株式会社イズアソシエイツ

関連記事

ライザップブランドの本質的提供価値について

RIZAPグループは11月14日に2018年4~9月期(中間)決算を発表。IFRS(国際会計基準)の営業損益は88億円の赤字と前年同期の49億円の黒字から大幅に悪化した。同時に18年度通期の営業損益の …

ソニー平井会長退任 その功績と課題は?

ソニーは28日、平井一夫会長が取締役を退任すると発表した。今後はシニアアドバイザーとして、経営陣に助言する。 (中略) 平井氏は4期連続の純損失を計上した直後の2012年4月に社長に就任。テレビ事業の …

京アニ放火の衝撃

京都市のアニメ制作会社「京都アニメーション」のスタジオで起きた放火事件を受け、海外でも犠牲者を悼み、支援する動きが出ている。米アニメ配給会社「センタイフィルムワークス」は、支援金を募るためにインターネ …

ブランド米の乱立 「2018年産米の食味ランキング」

(前略)今回の審査結果では、「特A」を獲得した地方ブランド米の数は、過去最高の55(昨年比+12増)となりました。実は現在、国内ではブランド米競争が熾烈を極めています。 この背景には、政府が長年にわた …

中国企業のブランド進化論 アリババとダブルイレブンでの販売構造変化

【北京=三塚聖平】中国で「独身の日」と呼ばれる11日に毎年恒例のインターネット通販各社による値引きセールが行われ、中国電子商取引(EC)最大手アリババグループの取引額が2684億元(約4兆2千億円)に …

サイト内検索