西武ホールディングス(HD)は25日、東京・南池袋に完成した新本社ビル「ダイヤゲート池袋」を報道陣に公開した。これまで埼玉県所沢市にあった同社や子会社の本社を4月に新ビルに移し、グループの拠点として活用するほか、オフィスや商業施設が入居する。式典であいさつした後藤高志社長は「池袋地域のにぎわいや活性化のトリガーになる施設にしていく」と語った。
新本社ビルは、西武鉄道の西武池袋線の線路をまたぐ形でつくられた。もともと本社がこの地にあった西武鉄道の運行図表であるダイヤグラムをイメージした外観を採用している。低層の1~2階には商業店舗を配置し、4階から最上階の18階までがオフィスフロアとなる。西武グループはこのうち5フロアで入居する。
Sankei Biz 2019/3/26
西武HDが“運行図”のビル ダイヤグラムを模した外観の新本社ビル
「ダイヤゲート池袋」公開
記事を読む前に竣工したビルの外観を見て直感した。「これは鉄道ダイヤだ!」と。
西武鉄道の持株会社である株式会社 西武ホールディングスが本社移転する「ダイヤゲート池袋」は西武池袋線をまたぐ形の再開発ビルだ。まるでビルの中から電車が出てくる様な意外性と相まって電車の運行ダイヤグラムを模した外観デザインは“鉄オタ”でなくとも心踊るものがある。
竣工式で公開された内部も鉄道をイメージさせる仕掛けが随所にあり楽しめる。
一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会では「ブランドとは資産であり、経営戦略から一貫して派生するものである。」と説いているが、不動産という資産をブランディングに活かした好例ではないか。ブランディングはマーケティング部門が行う販促活動の一部ではなく、全社的に一貫して取り組む活動である。これからはプロパティやファシリティなどの管理運用部門であってもブランディングのリテラシーを高めていきたいものである。
水野 昌彦(みずの まさひこ)執筆
一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会 認定トレーナー
自動車会社デザイン部門にてCI・VIデザインの開発・設計・管理に携わる。
「理念・ブランド・デザイン」を軸に社内外でブランド啓蒙活動奮闘中。