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Case Study

理想的なパーソナル・ブランディングの形成 山里亮太さんと蒼井優さんの結婚会見より

投稿日:2019年7月26日 更新日:

予想外かつ意外過ぎる発表で、様々な話題を呼んだ、山里亮太さんと蒼井優さんの結婚会見。その会見で感じたものは、昨今の殺伐とした社会に対して、一服の清涼剤となるような実に素敵な時間でした。

山里亮太&蒼井優 結婚会見【会見全文・前編】「しずちゃんが紹介してくれた」(山里)
https://dot.asahi.com/dot/2019060500085.html?page=1お笑いコンビ・南海キャンディーズの山里亮太と女優・蒼井優が5日、入籍を発表した。2人は同日夜、都内のホテルで記者会見を開き、報道陣を前に改めて入籍を報告した。

AERA.dot 2018/6/5

ご存知の方も多いように、山里亮太さんは、レギュラーを多数抱える売れっ子の芸人であり、蒼井優さんは演技力の評価が高い、人気女優です。
山里さんの芸風は、妬みや非モテを前面に押し出した、ちょっとネガティブなキャラクター。蒼井優さんは、さまざまな役柄になりきることができるプロフェッショナルな女優である反面、恋愛に関しては何かとネガティブな噂話がつきまとうというところがありました。

一見すると共通点のない組み合わせであり、驚きをもって会見が始まりましたが、会見が終わった後には、山里さん、蒼井さんの二人とも、それまでの世間からの印象が良い意味で大きく変わる結果を生み出しました。決して意図的ではなく自然であったと思いますが、結果的に見れば今回の結婚会見が彼らのパーソナル・ブランディング形成に見事成功したともいえます。

特に、決定的な場面となったのが、以下のやり取りです。

山里亮太&蒼井優 結婚会見【会見全文・後編】「グリーンカレーにド肝を抜かれた」(山里)
https://dot.asahi.com/dot/2019060500105.html?page=4──蒼井さんという芸能界一のモテ女優と呼ばれている芸能界でもものすごいファンが多い、その女優さんを独り占めにした。ファンにメッセージはありますか。(中略)山里:どうなんですかね。わかんないです。もちろん、好かれてると思ってます。めちゃくちゃ好きだった方もたくさんいらっしゃったかと思うんですけど。そうですね……。その方々が好きだっていうぐらいまで気持ちを高めるスピードが僕より遅かっただけだと思うので。僕はすごいスピードで告白してもいいと思うくらいすごい好きだなと思う気持ちがあったので。世の中で狙ってた方々には申し訳ないと。ちょっと、鏡で顔を見てきましょうか、私。(会場の)クスクスが大きくなってきましたけど。

やっぱり心配されますよね。みなさんからさっき出ている単語もあるわけじゃないですか。そういうのでみんな心配するんですけど、いっさい心配していないです。それはたぶん、みなさんの目の前にいる蒼井さんと違う蒼井さんを僕は見せていただいているので。本当に純粋で、楽しいときには笑って、おいしいもの食べてる時は本当にコロコロ笑って。それですごく泣くという。みんなが思い描くのってちょっと違うでしょ。「魔性」って単語を使ってるけど、僕はそんな人間じゃないということを一緒にいてずっと見てたんで。みなさんが思う「魔性」から発生する心配というのは、一切ございません。

──浮気の心配は?

山里、蒼井:ないです。

AERA.dot 2018/6/5

残念ながら、この会見まで一部の人からは印象が良好な状況とも言い難かった蒼井さんが、今回のこの山里さんの対応によって、救い出されたような印象をもつ場面となりました。また、質問者に対しても不快な思いをさせず、複数の厳しい場面をユーモアや知性で切り抜け、蒼井さんを最後まで守りぬいた山里さんに対して、世間の印象が大幅に良くなり、なおかつ、その山里さんを伴侶に選んだ蒼井さんに対しても、非常に印象が良好なものとなりました。

このことからうかがえるのは、一旦世間に印象付けされてしまったもの(顧客や消費者によって間違って植え付けられてしまったブランド・マイナス・イメージ)は、簡単には払拭できないものの、環境と状況を自ら変えることで、新たなブランディングによる上書き修正は十分に可能であるということです。これは企業であれ、個人であれ同じです。

そのため、何らかの理由で不本意なレッテル貼りをされてしまった企業も、心を入れ替えて、コンプライアンスや社内環境を整備し、経営理念に沿ったビジョンをもって、顧客に対して正しい方向性で真面目に努力していれば、再起して評価されるチャンスは必ずやってきます。もし、現在そのような厳しい局面を任されている事業担当者や経営者の方がこの記事を読んでおりましたら、適切な努力に対しては、応援してくれる人が少しずつ出てきてくれますので、無理のない範囲で頑張っていただき、諦めないでいただきたいと思います。

最後に、山里さんも自身を振り返ってこのようにコメントしています。

https://dot.asahi.com/dot/2019060500105.html?page=5
──もてない芸人にはどんなコメントを?
山里:しずちゃんが僕に言ってくれたんです。「まじめに頑張ってればいいことあんねんな」と。いろんな人に気持ち悪いとか言われたり炎上したりがあった。そんな世界でも一生懸命やっていればこんな素敵なゴールを用意してくれるんだと。僕みたいな戦い方をしている芸人さんの励みになれば。

AERA.dot 2018/6/5

 

 

武川 憲(たけかわ けん)執筆
一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会 シニアコンサルタント・認定トレーナー
株式会社イズアソシエイツ シニアコンサルタント
MBA:修士(経営管理)、経営士、特許庁・INPIT認定ブランド専門家(全国)
嘉悦大学 外部講師

経営戦略の組み立てを軸とした経営企画や新規事業開発、ビジネス・モデル開発に長年従事。国内外20強のブランド・マネジメントやライセンス事業に携わってきた。現在、嘉悦大学大学院(ビジネス創造研究科)博士後期課程在学中で、実務家と学生2足のわらじで活躍。
https://www.is-assoc.co.jp/branding_column/

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