セミナー・実践会・相談会でブランド課題を解決する

Branding Method

下町ロケット2の世界は実現するのか IT×農業(スマート農業)による 農業での働き方改革

投稿日:2019年4月23日 更新日:

中小製造業メーカーを舞台にした下町ロケットは、根強い人気を誇っています。2018年~2019年にかけての放送でも、高い視聴率をキープしました。この作品の中で話題となったのが、農業のハイテク化です。今回はこの農業のハイテク化「スマート農業」について、世の中の流れを追ってみたいと思います。

日本の農林水産省でも、“スマート農業”としてプロジェクトを発動させています。

スマート農業
ロボット技術やICTを活用して超省力・高品質生産を実現する新たな農業を実現
http://www.maff.go.jp/j/kanbo/smart/

農林水産省 ホームページ

また、各種シンクタンクでも、スマート農業の市場規模が今後は増加していく見込みであると発表しています。

スマート農業市場は拡大、2025年には123億円の予測
人手不足問題を抱える農業分野で期待がかかる、農業用ドローンや農業用ロボットをはじめ、センシング・制御・ネットワーク技術やAI、画像解析などのスマート農業関連の調査を株式会社富士経済が実施した。
https://agrijournal.jp/aj-market/39409/

アグリジャーナル 2018年5月28日

スマート農業の本格的な普及に期待
~農業データ連携基盤(WAGRI)の本格運用や、4機体制になる準天頂衛星システム「みちびき」のサービス開始が契機に~
スマート農業の国内市場規模は2024年度には387億円まで拡大すると予測する。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2026

矢野経済研究所 2018年11月6日

このように徐々に熱さを増しているスマート農業ですが、現時点では市場占有率の高い特定の企業が見受けられない状況です。これは、まだまだ市場希望が小さいこともあり、クボタ・富士通など大企業でも一部でしか参入しておらず、競争が本格化していないということも関係しているのかもしれません。

ただ、このような状況は中小企業やスタートアップベンチャーにとっては逆にチャンスともいえます。市場が小さいうちに先行投資をして技術と経験を蓄積することで、「元祖」「老舗」という、実績に基づく企業ブランドを手にすることができるからです。そのように考えると、ブランディングの効果は、一般社会での知名度が低い新興企業にこそあるのかもしれません。

一例の企業として、セラクというITシステム開発企業があります。基本的にシステム開発のBtoB企業であるため、東証1部上場企業ですが、世間一般ではあまり知名度はないかもしれません。しかし、「みどりクラウド」という、スマート農業の中では有名なサービスを開発・展開をしている企業です。

みどりクラウド
https://info.midori-cloud.net/

株式会社セラク ホームページ

この企業も、IRのセグメント実績では、スマート農業部門はまだ赤字となっています。しかしながら、先行投資を重ねて実績を作っていることで、メディアで取り上げられることも増加しており、その結果、各地方自治体とのコラボレーションも進行しています。今後、企業としてのブランディングを重点的に行い、農業関係者に対するイメージの浸透化が図れれば、他のIT企業との差別化ができ、業績が伸びていく可能性が高まります。

また、日本の国策としてスマート農業を推奨しているということもあり、株式市場でも国策銘柄として、株価も期待値が高めで推移しやすい傾向があります。今後の東証での市場改革により、上場企業の時価総額が重視されることになると、この点でのメリットも高まります。

農業は作業的にも、利害関係者の調整でも、共に泥臭い努力が必要となる、大変な業界です。そんな業界を、スマート農業で効率化して労働時間を削減し、コスト削減で可処分所得を増やし、結果として農業の世界でも働き方改革が実現できれば、理想の展開となるでしょう。今後のスマート農業の一層の進展に、是非とも期待したいものです。

 

武川 憲(たけかわ けん)執筆
一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会 シニアコンサルタント・認定トレーナー
株式会社イズアソシエイツ シニアコンサルタント
MBA:修士(経営管理)、経営士、特許庁・INPIT認定ブランド専門家(全国)
嘉悦大学 外部講師

経営戦略の組み立てを軸とした経営企画や新規事業開発、ビジネス・モデル開発に長年従事。国内外20強のブランド・マネジメントやライセンス事業に携わってきた。現在、嘉悦大学大学院(ビジネス創造研究科)博士後期課程在学中で、実務家と学生2足のわらじで活躍。
https://www.is-assoc.co.jp/branding_column/

関連記事

syouhyou

ブランド戦略に欠かせない商標権の基本を知ろう!

オリンピックのエンブレムに始まり、動物園のロゴ・・・。今世間を賑わしているデザインの盗用問題。デザインそのものを守ってくれるのが「著作権」という知的財産権です。商品の形などのデザインを保護するのは「意 …

観光地が成功するにはワケがある!ハワイの成功にみる、観光地マーケティングの重要性

商品を売り込むときに、マーケティング戦略が重要であることは言うまでもありませんが、実は“観光地”にもリピーターを確保しその土地を盛り上げるための「観光地マーケティング」が存在します。そこで今回は、ハワ …

ジョブ理論タイトルイラスト

「ジョブ理論」でわかるニーズの重要性

「ジョブ理論」とは、顧客の抱えている「ジョブ」を片づける解決策を提供することがイノベーションにつながるとした最新の理論です。ニーズ志向とも言えるジョブ理論の概要を解説します。 「ジョブ理論」とは ジョ …

自社の採用ブランドの問題点を特定する

採用ブランディングについて その3 現在の採用ブランドの問題点を知る 採用市場における自社のポジショニングと、採用競合企業が明確になれば、次に取り組むべきなのは、現在の「採用ブランド」の問題点を知るこ …

マーケティング、勘違いしていませんか?

売り上げを伸ばすためには、マーケティングが重要だということは分かっているものの、実践しても思うような効果が得られないという経験はありませんか? それはマーケティングを誤って理解しているからかもしれませ …

サイト内検索