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景気回復の中、まだまだ売上高は低迷…今こそ経営戦略を見直すとき

投稿日:2015年4月1日 更新日:

Business meeting

景気が低景気が低迷していた2014年上半期から、徐々に回復してきた日本経済。
しかし、依然として売上高は横ばい傾向にあり、円安の打撃を受けている中小企業は多い状況が続いています。これまでのやり方を続けているだけでは、この状況を乗り切ることはできません。

いつの時代においても、特に変化の激しい現代社会において、その都度経営理念に立ち返り、経営戦略を構築し直すことが求められています。けれど、どこをどう見直せばいいのかがわからず、結局取り組めていないというケースも多いのではないでしょうか?

そこで今回は、現状把握に役立つ情報と、経営戦略の中で今取り組むべきことを紹介します。ぜひ参考にしてください。

2014年の不況から持ち直しの最中にある今

今、中小企業の景気は、一部持ち直してはいるものの、マイナス幅がわずかながらも拡大傾向にあるといわれています。また売上高も同様に、横ばい、もしくは減少の様相が全産業を通してみられます。

中小企業庁の2014年10-12月期「中小企業景況調査」では、全産業の業況判断DI(景気動向指数)は、前期差▲0.7ポイント減で、マイナス幅が拡大していることがわかっています。
また、中小企業の売上高DIについては、全産業で前期▲16.5から、▲16.4とマイナス幅が縮小してはいるもの、横ばい傾向にあります。

2014年に起きた不況は、消費税8%への引き上げの影響によるものであるという説が有力です。2014年4月の時点で、小売売上高は過去14年間で最大の減少幅となり、昭和57年以来の低水準となりました。これ以降、徐々に景気回復はしているものの、まだまだ持ち直しの最中であるのが現状です。

また、消費税増税による消費マインドの落ち込みのほか、少子高齢化による市場の縮小、世界的な市場競争の激化など、中小企業の経営者にとっては厳しい状況が重なっています。

つぶれた中小企業は7509件
また、中小企業庁の統計によれば、2014年1月~9月までに倒産した中小企業は7509件でした。(負債金額1千万円以上)

その内訳を見てみると、「サービス業・その他(一次産業含む)」が1939件、「建設業」が1525件、「製造業」が1088件、「卸売業」が1066件、「小売業」が968件という順で多い結果になっていました。

倒産の原因別で見てみると、「販売不振」が5147件でもっとも多く、次いで、「既往のしわよせ」が941件、「連鎖倒産」が408件となっていました。
推移としては減少傾向にはありますが、この背景には金融機関が融資条件として返済猶予などの柔軟な対応をしていることにあるといわれています。
しかし、短期で見ると、円安の影響を受けた倒産件数が増えているのは見逃せません。円安で原材料費が高騰したことによる倒産件数は、2014年9月の時点で前年同月の2倍となりました。
このように、中小企業にとって苦しい状況が続いています。

経営戦略の中でも重要な「ブランディング」

経営理念に基づき、構築される経営戦略の中には、色々な種類があります。例えば、マイケル・E・ポーターが提唱した基本戦略である、「コスト・リーダーシップ戦略」、「差異化戦略」、「集中戦略」は、20世紀の市場において重要な経営戦略だといわれてきました。

「コスト・リーダーシップ戦略」は、同業他社よりも圧倒的な低コストでオペレーションすることで競争に勝とうとする戦略です。業界全体を広くターゲットとするものです。

また、「集中戦略」とは、特定の市場にターゲットを絞り込み、経営資源を集中させる戦略です。広い視点に立てば、その市場では弱者であっても、ある特定分野で勝っていればシェアを獲得することが可能になります。

また、他と異なる優れた特徴を持つ製品やサービスを開発することで「付加価値」を付け、顧客ロイヤリティを獲得する「差異化戦略」。これは、近年マーケティングの世界で注目されている「ブランディング」と言い換えることができます。この「差異化」された部分を付加することによって、ターゲットに競合とは違う価値を認識してもらうためのプロセスが「ブランディング」なのです。品質やコストパフォーマンスを高めることで、高い価格を正当化できる利点があります。

特にこの「ブランディング」は、価格競争に巻き込まれることなく、自社の製品やサービスを少しでも高く評価し、買ってもらうことのできる戦略です。

「ブランディング」は、「ブルー・オーシャン戦略」にも関係しています。ブルー・オーシャン戦略とは、競争者のいない新たな市場において、ターゲットに高い付加価値のある製品やサービスを提供して差別化しながら、低コストを同時に実現する戦略です。
例えば、機能性を高めた衣類を低価格で提供する「ユニクロ」は、まさにブルー・オーシャン戦略を成功させた代表的なブランドです。

中小企業にとって不安が大きい現状において、経営戦略を見直すことはどの業種であっても差し迫った課題です。いかに軌道修正するかを考えるヒントとして、「ブランディング」は大きな価値があるといえるでしょう。

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