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ローソン「バスチー」 バズって大ヒットか

投稿日:2019年5月14日 更新日:

2019年3月26日(火)にローソンから発売され、ヒットを飛ばしているスイーツが「バスチー」(税込215円)です。発売前に群馬県でテスト販売を行い、絶好調だったという「バスチー」は、発売から3日間で販売数が100万個を突破。ローソンの看板スイーツ「プレミアムロールケーキ」が発売当初に打ち立てた、「5日間で100万個突破」の記録を塗り替える売れ行きを見せています。

「バスチー」の原型は、いま大人気のスイーツ「バスクチーズケーキ」。これは、スペインとフランスにまたがるバスク地方が発祥といわれる伝統菓子で、表面が焦げるまで焼いた見た目のインパクトと、とろけるような食感が魅力のスイーツです。

日本では2018年から専門店が登場して注目を集めており、ローソンでもその流行の兆しをとらえたうえで、現地にも足を運んで本場の味を確認。「これは売れる!」と確信を得たそうです。

実際に、「バスチー」の購入客の約7割は女性が占めており、10~70代女性と、10~60代男性の間では、全デザート中1位の売上を記録しています。

アーバン ライフ メトロ 2019/4/27
ローソン「バスチー」、爆発的ヒットの裏にあった「商品化スピード」
笹木理恵氏 署名記事

今や、弁当や総菜などの主力商品同様に、コンビニエンスストアの各チェーンでの個性を象徴する商品となった、コンビニスイーツ。その中でも、ローソンとサンクス(現:ファミリーマート)は、比較的早くからスイーツに力を入れていたコンビニチェーンである。

コンビニスイーツは、もはや各コンビニエンスストアチェーンで戦略的に商品開発を行い、マーケティング戦略を駆使してヒットの仕掛けをする主要商品となっている。

特に、今回のバスチーはSNSで「バズる」商品となったことで話題となった。「バズる」というのは、「バズマーケティング」というマーケティング用語の一種を派生させて生まれた言葉であり、短期間で爆発的に特定の話題が拡散するという意味である。元々はIT業界で使われていた専門用語だが、今では一般的にも使われる言葉となっている。

「バズマーケティング」は、口コミでの拡散を利用することで、自社商品やサービスの販売促進と認知拡大を狙う手法だが、今回のバスチーのヒットは、商品の魅力がきちんとお客さまに伝わり、インフルエンサー(社会に与える影響の大きい情報拡散者)による自然発生的な話題を生み、ヒットへと繋がったという点が「バズった」勝因だと考えられる。

 

武川 憲(たけかわ けん)執筆
一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会 シニアコンサルタント・認定トレーナー
株式会社イズアソシエイツ シニアコンサルタント

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