ブランド経営戦略コミュニティ 運営会社について
twitter
セミナー・実践会・相談会でブランド課題を解決する

富士フイルム 本当にチェキが好きのカメラ市場戦略

投稿日:2019年5月31日 更新日:

シャッターを押すと、「ウィーン…」という音とともに10秒ほどで白いフィルムが出てくる。フィルムには撮影した画像がじわじわと浮かんでくる。富士フイルムのインスタントカメラ「チェキ」の使用光景だ。そのチェキの年間販売台数がついに1000万台の大台を超えた。2018年4月から2019年3月までの期間に1002万台を販売。

(中略)

カメラ市場は「想像以上のスピード」(業界関係者)で縮小しており、キヤノンやニコンなど大手カメラメーカーの業績は苦しい。キヤノンは2019年12月期の売上高予想を従来予想から500億円下方修正。ニコンの2019年3月期決算は、カメラの販売不振で映像事業は前期比18%の減収となった。

(中略)

富士フイルムは2018年5月からテイラー・スウィフトさんをプロモーションに起用している。高井氏は「彼女に新製品を渡したら、まったく説明していないのに一人で準備して楽しみ始めていて、本当に好きなのだと実感した」と振り返る。2018年度の当初の販売計画は900万台だったが、テイラー効果もあって1000万台超えにつながる3回目のブームが到来した。「本当にチェキが好きなテイラーを起用したことで、宣伝ではない自然なプロモーションになった」(高井氏)。

(後略)

東洋経済ONLINE 2019/5/12
「富士フイルム「チェキ」、年1000万台なぜ売れる」

カメラ市場の業績改善は難しく、背景にあるのはやはりスマートフォンだ。

スマホで手軽に写真を撮れるため、わざわざカメラという別の機械を持ち運ぶ必要性を多くの人は感じていない。メーカー各社は小型軽量化しやすいミラーレスカメラを相次ぎ投入。カメラメーカーならではの画質の良さなどを訴求しているが、市場縮小を食い止められていない。

逆風が吹く中、富士フイルムは、若年層を中心に絶大な影響力のある「テイラー・スウィフト」さんを起用した大型プロモーションをグローバル展開して、業績の改善を後押ししようとした。スマホで写真を撮って画像データをやりとりするだけの人たちにとって、シャッターを押して、フィルムが出てくるということが、テイラー・スウィフトさんのTVCMやWebでのプロモーションを通じて新しい「魅力」と感じられたのではないか。

チェキの売上が順調に伸びているのは、有名な芸能人を起用して消費者の購買を刺激する、インフルエンサーを起用したインターネットマーケティンを積極的、計画的に採用したのが要因だろう。企業の将来を左右するインフルエンサーをどう起用するか。テイラー・スウィフトさんの趣味志向をしっかりと把握した上でのプロモーションが、ターゲットのインサイトをつき心を掴み、大きな成功を収めたのであろう。

 

はやま 紺(はやま こん)執筆
一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会 1級資格取得者 
紺デザイン ブランド・クリエイター
http://kon-design.com/

 

真のブランディングは、正しいブランド理解から

その課題、専門家と一緒に整理しませんか。

ブランド・採用・組織づくりの悩みを、貴社の状況に合わせて具体的に整理します。まずはお気軽にご相談ください。

ブランディングのプロへ個別相談を申し込む →

その前に、まず現在地を知る。

10分の診断で、あなたの会社のブランディングの現在地がわかります。

無料でブランディングを診断する →
ブランディングの実践知を、月に一度。
メールマガジンに登録する

読むだけで、終わらせない。

関連記事

家系ラーメンに見る、ブランド管理の難しさ

横浜家系ラーメン。1974年創業の「吉村家」(当時は新杉田駅近く)を源流とし、その弟子や孫弟子を中心に神奈川県を中心に広がっていった豚骨醤油ラーメンだ。 屋号に「○○家」という店名が多かったことからフ …

「BALMUDA(バルミューダ)」がつくる新しい家電のカタチ

高級トースター「ザ・トースター」など、個性的でデザイン性の高い白物家電を次々に発表する家電メーカーとして、量販店の家電売り場でも一目置かれる存在になったバルミューダ。 積極的な海外展開を進めた結果、い …

タグラインは「小江戸」。関東二古都のブランド力

「お江戸見たけりゃ佐原へござれ」。江戸時代の戯れ歌にもうたわれた千葉県香取市の佐原地区は利根川の水運で発展し、街なかには江戸期から明治期に建てられた商家や民家が今も立ち並ぶ。街の中心部を流れる小野川の …

タレントの“SNSをしない”選択、少数派が奏功? ブランディングとしての役割に変化

“Twitterの日本開設から早10年。Instagramなども含めたSNSは一般人のみならず、タレントが自己発信のツールとして活用するのも“通常営業”となった。また、SNSがタレントの浮沈のカギを握 …

無印良品のファミマ撤退に見る、ブランドイメージの変化とその影響

ファミリーマートの売り場から、無印良品の商品がなくなってしまうことになりました。無印良品を展開する良品計画によれば、2019年1月28日付でファミマへの無印良品の商品供給を終えたということです。現在フ …

サイト内検索