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健康経営とカゴメ社の美味しいサポートプログラム <ブランド拡張による事業領域の延伸>

投稿日:2019年7月29日 更新日:

カゴメが野菜摂取測定機器を使って新事業を開始する。野菜摂取の充足度が表示できる機器「ベジチェック」のレンタル・リースを7月1日から開始し、同社が提唱する健康サポートプログラムの推進に役立てる。

機器はドイツのバイオズームサービス社(Biozoom services社)と共同開発したもので、レンタルおよびリースのほか、企業や自治体向けに機器を使った健康サポートプログラムの販売も実施。企業の「健康経営」が注目される中で、健康増進支援ツールとして活用してもらうため、法人向け健康セミナーの開催を促し、健康管理や健康診断での食事指導などに活用してもらう。

(中略)

「健康寿命の延伸」を経営課題に掲げている同社だが、日本人成人の平均野菜摂取量は1日当たり約290gとされており、厚生労働省が目標として掲げる1日350g以上には届いていないのが現状で、普段の食生活の中で、もっと野菜を摂ることで経営課題に貢献したいと判断。それには「一人ひとりが野菜をどれだけ摂れているのかを理解してもらうことが前提ということで機器の開発に至った」(同社)。

食品新聞 2019/7/5
数十秒で野菜摂取量を測定 カゴメ「ベジチェック」
企業・自治体セミナーで提案

昔はトマトのイメージが強かったカゴメだが、現在では野菜全般に強い会社という印象がある。これは、元来強みを持つ領域から、徐々に強みに近い市場へ浸透を図るという企業ブランドの拡張を志向した経営戦略で、自社カテゴリー領域を拡大していくことに成功した結果であろう。

野菜は、元々が健康にいいというイメージが顧客の中にはあるため、それを主要商品として扱う企業には、当然健康に強い企業であるというブランド・イメージ・フローが生まれやすい。今回のカゴメの試みは、それを実際に展開に移していく戦略の一つなのであろう。

最近では、経済産業省においても健康経営の提唱がなされており、「健康経営優良法人認定制度」や「健康経営銘柄」など、健康にまつわる優良企業を優遇し、表彰する動きが出てきている。

健康経営の推進

https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenko_keiei.html

経済産業省 ホームページ

従業員のメンタルヘルスの疾患や過重労働での不健康のための離職による経済的損失は、個別企業だけではなく、国全体の問題となる。

カゴメの今回の取り組みが、今後の各企業の健康経営への支援につながっていくことを期待したい。

 

武川 憲(たけかわ けん)執筆
一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会 シニアコンサルタント・認定トレーナー
株式会社イズアソシエイツ シニアコンサルタント
MBA:修士(経営管理)、経営士、特許庁・INPIT認定ブランド専門家(全国)
嘉悦大学 外部講師

経営戦略の組み立てを軸とした経営企画や新規事業開発、ビジネス・モデル開発に長年従事。国内外20強のブランド・マネジメントやライセンス事業に携わってきた。現在、嘉悦大学大学院(ビジネス創造研究科)博士後期課程在学中で、実務家と学生2足のわらじで活躍。
https://www.is-assoc.co.jp/branding_column/

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