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Branding Method Case Study

わずか5年8ヶ月!アパレル企業として最短上場を果たしたYUTORIとは?

投稿日:2024年9月4日 更新日:


引用元

若者文化の発信地へ

2023年アパレル企業に新風が走る。同業界では最速5年8ヶ月という圧巻のスピードで上場を果たしたYUTORI。2018年創業の同社は、2020年にZOZOの子会社として徐々に頭角を表し、2023年12月に東京証券取引所グロース市場に上場しました。アパレル業界最年少経営者となった片石氏が創業から持ち続けている哲学は「ハグレモノをツワモノに(TURN STRANGER TO STRONGER)」です。世の中や上の世代の既成概念に縛られることなく、それぞれの“好き”を自由に表現できる場を提供することを掲げ挑戦を続けています。

若者文化の共感で急成長

YUTORIの成功の一因は、古着ブームの波に乗ったことにあります。片石氏の個人的な“好き“から生まれた「古着女子」というインスタメディアを駆使し、古着の魅力を現代の若者向けにリバイバルすることで、新たな市場を開拓しました。ターゲットに刺さるコンセプトやメッセージ、ルプロモーションなど、若者に共感されるブランドを作り上げるノウハウを蓄積してきました。若者文化に対する深い理解と共感を促す戦術、そしてzozoのインフラとしての盤石の基盤との掛け算で爆発的な成長を遂げたのです。

D2Cにおいてブランドを育てることはもう古い?


従来のD2Cは、ブランドにストーリーを演出し、ひとつのブランドを大きくしてゆくことが定石とされていました。しかし、YUTORIは単一の大規模ブランドではなく、小規模なブランドを多数展開する戦略をとっています。SNSを介して若者が自らトレンドを作り出せる時代においては、常に新陳代謝を行うことが重要だからです。大型メデイアが流行の大流を作っていた時代とは異なり、SNSを通じてダイレクトに情報を得られる現代では大きなトレンドがありつつも細分化されたニッチなムーブメントが連続的に巻き起こっているのです。このような市況において、消費者の多様なニーズに対応するために、柔軟にコンパクトにブランドを多数展開する戦略を実践しているのです。

トレンドに合わせたオリジナル商品開発

ブランド多数展開の強みは、トレンドへの参入の速さです。1ブランドで世界観を作り込んでしまっては流行についていけなくなります。ブランドを分散して持つことで各ブランドの世界観に縛られることなくオリジナル商品をリリースすることができるのです。また、前段で記載した通り、現代はトレンドの大流の中にはニッチなニーズが混在しています。オリジナル商品を柔軟に作れるということは、ニッチな市場での確実なシェアの獲得につながるのです。

UGCを生かした押し売りしないSNS戦略

この戦略を可能にしているのがYUTORI最大の強みでもあるSNSマーケティングです。同社のSNSマーケティング戦略を一言で表すなら「共感」です。TikTokやInstagramなどのプラットフォームを活用し、リアルな顧客の声を反映したプロモーションを展開し、UGCに繋げています。あくまで日常動画の中に溶け込むことで「このインフルエンサーが来ている服が可愛い」「どこのブランドの服だろう?」「私も欲しい」と言った、共感と購買意欲を自然に促しています。発信者のリアルな声がブランドの信頼性の向上にも繋がっているため、トレンド商品が無数に存在する現代においてもシェアを拡大しているのです。

自立分散型の組織運営(発信力のあるスタッフのチャレンジ&フィードバック)

YUTORIは、従来のトップダウン型ではなく、自立分散型の組織運営を採用しています。目まぐるしいトレンドの速さに翻弄されるイメージがあるファッション業界ですが、裏を返せばPDCAを何度も回せる環境なのです。元々発信力がありマーケティングの素養がある多くの社員が多く在籍しているわけですから、ある程度の裁量を持たせ挑戦させることこそがヒット商品の創出の確率を上げるのです。この組織経営は前段で説明したブランドの多数展開戦略に合わせて設計されていることが分かりますね。

<ブランド・アイデンティティ(理念)>
「ハグレモノをツワモノに(TURN STRANGER TO STRONGER)」

<ブランド体験(戦略)>
単一の大規模ブランドではなく、小規模なブランドを多数展開(ニッチ戦略)

<ブランド体験(戦術)>
■トレンドの合わせたオリジナル商品開発
■SNS戦略(UGCを意識したプロモーション)
■自立分散型の組織運営(発信力のあるスタッフのチャレンジ&フィードバック)
※上記はあくまで代表的な戦術です。その他にもポップアップや実店舗展開なども
熱狂的なファンとブランドとの接点を作る戦術も実践しています。

このように、ブランド・アイデンティティ(理念)を軸に一貫した戦略・戦術を設計していることが分かりますね。

流行を細分化し熱狂的なファンにダイレクトにリーチする

yutoriのブランドの多数展開によるニッチ戦略は現在の個々にカスタマイズされた情報が提供される時代と相性が良い。現代のSNSのアルゴリズムは、その人の嗜好性に合った投稿がリコメンドされる精度が非常に高いです。流行や市場、ターゲットを細分化し、特定の層に刺さる戦略に振り切れば商品がヒットする確率は飛躍的に上昇するのです。yutoriのような、ニッチ戦略は、現代のSNS活用のお手本と言えるでしょう。





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【経営×ブランディングの責任者(CBO)を日本で増やす】経営に貢献する真のブランディングを広めるために、ブランドづくりの基礎知識・ポイントからさまざまな事例、そして実践的に学べるセミナー、相談会まで。幅広いメニューで社会にCBOを増やしていきます。
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■千田 新(ちだ あらた)執筆
クリエイティブアソシエイト・コピーライター

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