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Branding Method

成功例でわかる!マーケティングミックス(4P/4C)とは

投稿日:2016年3月16日 更新日:

4p

マーケティングを行う際の最も基本的な戦略として、マーケティングミックスという考え方が1960年代に登場しました。マーケティングミックスとは、製品・サービスを売るための、マーケティング要素の組み合わせ(ミックス)のことをいいます。代表的なものとして「4P」がよく知られています。今回は、マーケティングミックスでよく使用される4P/4Cについて解説します。

4Pとは

4Pとは、1960年代前半、アメリカのジェローム・マッカーシーという経済学者が提唱したフレームワークで、4つのマーケティング要素の頭文字をとって4Pと呼ばれています。

4p

【Product】製品、サービス
製品ラインナップ、製品特長、品質、デザインなど
【Price】価格
標準価格、値引価格、仕入価格、支払方法、取引条件など
【Place】流通、販売チャネル
流通チャネル、流通範囲、品揃え、店舗立地、在庫など
【Promotion】プロモーション、販売促進
広告、広報PR、ダイレクトマーケティング、営業活動、ホームページ、メルマガなど

(出典:同文館出版 「社員をホンキにさせるブランド構築法」)

一つの製品・サービスを売るためには検討することが多岐にわたるため、コントロール可能な、4つの重要な要素に絞ることで、より効率的にマーケティングの効果を最大化することができます。

4Cとは

4Pは、売り手側の視点で考えられた理論でした。そこで、顧客視点からの新しいマーケティングミックスとして、1993年にアメリカの経済学者ロバート・ラウターボーンが4Cを提唱しました。

4c

【Customer value】顧客価値
機能的価値、情緒的価値(感情、自己イメージの投影)など
【Customer cost】顧客の負担
心理的なハードル(言い訳、不安感など)、物理的コスト(距離、時間など)
【Convenience】入手容易性
買いやすさ、アクセシビリティーなど
【Communication】コミュニケーション
ソーシャルメディア(ブログ、ツイッター、Facebook など)、各種イベントなど

(出典:同文館出版 「社員をホンキにさせるブランド構築法」)

これらの顧客視点は今では当たり前のように意識されています。もちろん、ブランド構築においても取り入れられています。次にブランド構築における4P/4Cとそのポイントを解説します。

ブランド構築における4P/4Cとは

ブランド構築の際、ペルソナと呼ばれる見込み顧客の視点からマーケティングミックスを検討します。わかりやすくいうと、ブランドのファンになってくれるであろう人へ向けて商品開発、販売方法などを考えていきます。

具体的には、次のような流れで行います。

ブランド構築におけるマーケティングミックスまでの流れ

環境分析による市場機械の発見(PEST分析、3C分析)
-自社の製品・サービスが利益を生み出す可能性があるかを分析します。

市場細分化(セグメンテーション)
-ターゲット選定のため、市場を細分化し、見込みがある層を抽出します。

見込み顧客の選定(ターゲティング)
-ペルソナと呼ばれる、具体的な人物像を設定します。

独自性の発見(ポジショニング)
-自社と競合がペルソナの心の中でどこに位置するかを判断します。

ブランド・アイデンティティ
-「ペルソナにどう思われたいか」を明確化します。

4P/4Cマーケティングミックス
商品の開発、価格の設定、販売チャネル・販促方法の決定を行います。

※ブランド・アイデンティティとは「企業が自社の製品・サービスが競合他社の製品・サービスとどこが違うかを明確に示すもの」
※ブランドのポジショニング:ブランドの役割の定義。
※ペルソナ:人物像までも具体的に設定した見込み顧客

ブランド構築におけるマーケティングミックスは、このようなステップを踏んでブランド・アイデンティティ(ペルソナにどう思われたいか)までを決めた後に行うので意味があるのです。

ブランド構築における4P/4Cのポイント

1.ポジショニングやブランド・アイデンティティが反映されているか

マーケティングで重要なのは、それぞれのマーケティングツールの間で、ブランドの独自性に沿ったメッセージングを行なうことです。
例えば、下記のような「安くて高品質」で有名なブランドがあった場合、要素をひとつでも変更してしまうとブランドのイメージが変わってしまい、特徴が伝わりづらくなってしまいます。

・Product(製品)高品質
・Price(価格)低価格
・Place(販売ルート)国内直営店を全国に展開。
・Promotion(販売促進)毎週折り込みチラシを配布している。

2.ペルソナに向けたものになっているか

4Cの顧客をペルソナに置き換えて、ペルソナにとって、どんな価値があるかを考えることが大切です。

・Customer value(顧客価値)ペルソナにとって、どのような価値があるか
・Customer cost(顧客の負担)ペルソナにとって、そのコストは妥当なのか
・Convenience(入手容易性)ペルソナにとって、買いやすいか。
・Communication(コミュニケーション)ペルソナにとって、身近に感じるか。

(出典:同文館出版 「社員をホンキにさせるブランド構築法」)

3.相乗効果を実現するものか

それぞれの要素による相乗効果としては、商品開発を工夫することで、低価格化を実現し成功しているケースが多くあります。

例えば、
QB ハウス・・・千円でカットだけを行う理容室
サイゼリヤ・・・低価格を実現するために調理を簡素化したファミリーレストラン

また、何かひとつでも、マーケティング要素に変更があると、他の要素も影響を受けます。例えば、カップうどんは関東と関西でダシ・味を変えていたりと、食品類は製品の見た目は同じでも販売地域(Place)によって味(Product)を変えていることが多いのです。

ホワイトベルグの成功でみる4P/4C

ホワイトベルグ

http://www.sapporobeer.jp/whitebelg/products/

マーケティングミックスの成功例として、サッポロビールの「ホワイトベルグ」をご紹介します。ホワイトベルグは、第3のビールで、低価格でありながらベルギービールのような味が楽しめることから、若者を中心に口コミが広がりヒットしました。

それでは、ホワイトベルグのマーケティングについて4P/4Cを使ってみていきます。

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