ブランド経営戦略コミュニティ 運営会社について
twitter
セミナー・実践会・相談会でブランド課題を解決する

話題の事例

外食チェーン、新商品の投入サイクルが業績に拍車をかける

投稿日:2019年3月22日 更新日:

明暗がくっきり分かれる決算となった。

牛丼チェーン「すき家」を手がけるゼンショーホールディングスが2月5日に発表した2018年度第3四半期(2018年4月~12月期)決算は、売上高4548億円(前年同期比4.4%増)、営業利益146億円(同7.2%増)と好調だった。

一方、「吉野家」を展開する吉野家ホールディングスが1月に公表した2018年度第3四半期(2018年3月~11月期)決算は、売上高1500億円(前年同期比2.4%増)と増収ながら、営業利益は5.6億円の赤字に転落した(前期は25億円の黒字)。

(中略)

牛肉やコメなど原材料価格の高騰や従業員に支払う人件費の上昇といった要因が業績を圧迫していることは、両社に共通している。それにもかかわらず、営業利益にこれほど大きな差がついたのは、コスト増の対抗策が大きく違ったためだ。

その1つが価格への反映だ。すき家は2017年11月に、並盛350円(税込み、以下同)を据え置いたうえで、中盛(並盛より具が多く、ご飯が少ない)と大盛の価格を10円、特盛やメガでは50円引き上げた。

東洋経済ONLINE 2019/03/07
「吉野家」と「すき家」、明暗分けた戦略の違い

商品力やサービスと外食チェーン店で何かと比較されやすい両社において、業績の明暗を分けた施策が興味深い。

すき家の並盛、中盛、特盛りと消費者のニーズに合わせてのメニューは以前から提供していたが、業績に拍車をかけたのは新商品の投入サイクルだ。ここには書かれていないが、すき家は1カ月~1カ月半の周期で期間限定商品を発売する施策を打ち出した。中でも、2018年12月から発売した「白髪ねぎ牛丼」は「旨白ダレ」と「旨辛ダレ」の2本立てで販売したことが顧客の支持を受けていたそうだ。その点、吉野家はすき家ほどには新商品を販売していないうえに、投入を控えたことが“あだ”となっている。

すき家の限定商品の価格は480~500円と、通常の牛丼よりも高い。顧客心理をコントロールした限定商品を販売する施策が、今回の業績に功を奏したのではないだろうか。限定商品は、企業側にとって商品イメージやブランドの認知度、企業の評判を高めやすい。消費者側は、今しか食べられないと希少価値の高いものだと感じ、購買意欲が高まる。

競合の好業績に対して吉野家は、戦略の見直しとブランドの認知度、企業の評判を一層高める戦略が必要となっていくのだろう。

 

はやま 紺(はやま こん)執筆
一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会 1級資格取得者
紺デザイン室 ブランド・クリエイター
女性目線の商材ブランディング
売れる仕組みをビジュアルとweb戦略でサポート
http://kon-design.com/

関連記事

「BALMUDA(バルミューダ)」がつくる新しい家電のカタチ

高級トースター「ザ・トースター」など、個性的でデザイン性の高い白物家電を次々に発表する家電メーカーとして、量販店の家電売り場でも一目置かれる存在になったバルミューダ。 積極的な海外展開を進めた結果、い …

展示会ビジネスの曲がり角?印刷機材展示会drupaの出展見合わせ相次ぐ

展示会といえば、見込客(リード)を獲得したり、未認知客を認知客に引き上げたりするための伝統的な手段であり、ブランドの重要なコンタクトポイントです。しかし昨今のコロナ禍で、展示会を取り巻く状況が変わりつ …

小粒でも、ピリリと辛い、存在感。 山椒ブームは現代世相の反映か

明治時代の牛肉しかり、平成のパクチーしかり。個性のある味の定着には時間がかかる。なじみのある食材や調味料でも、シーンが変われば「新しい味」としてすそ野が広がる。 そんな「新しい味」として強力に存在感を …

アマゾンに後れをとる、日本の流通業。対抗するための処方箋は

アマゾンジャパンは6月20日、Amazonマーケットプレイスに出品する日本の中小企業の販売事業者の2018年流通総額は9000億円を超えたと発表した。 Amazonマーケットプレイスに出品する日本の中 …

「熱狂ブランディング」の終息か コロナショックで夕張メロンの落札額が98%ダウン

北海道夕張市特産の「夕張メロン」のことし初めての競りが行われ、最高落札額は2玉12万円と去年のおよそ40分の1でした。卸売会社では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う、消費の低迷も影響したとみています …

サイト内検索