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“マイルドダンディ―” 京セラが提唱する新しい消費者像

投稿日:2019年2月21日 更新日:

次の時代の新たな男性像

(中略)「マイルドダンディー」とは、どんな男性なのか。

古き良き「ダンディー」には、ギラつき感や高級志向のイメージが伴うが、そういったものが重視されなくなり、質実をとる紳士像―。京セラでは、こんな風に定義づけている。

若いころは派手でギラギラしていた男性たちも、齢や経験を重ねるうちに見栄や無駄を避けるようになり、年相応で、身の丈に合った自然体のライフスタイルを志向している。かつて、男女を問わず憧れの存在だった「ダンディー」は、過去の存在となり、「派手」「ギラギラ」という男性像は敬遠されているというのだ。

最近、人気の男性タレントも、「派手」「ギラギラ」というよりは、どちらかというと「マイルド」なイメージが強い。昭和から平成、平成から新元号へ、次の時代の新たな男性像こそが「マイルドダンディー」というわけだ。(後略)

(産経新聞 2019/2/14
新しい時代のトレンドに? “マイルドダンディー”な男が持つスマホとは)

京セラは新発売のスマートフォンのターゲット、40~60代の男性を“マイルドダンディ―”と定義した。新しい言い方だが、どこかで聞いたことがあるような名前だ。一昔前、地元愛が強く仲間とのつながりを重視する若者を指して、“マイルドヤンキー”という言い方がはやったが、それを意識したものだろう。

年齢や性別を絞ったターゲットを設定することはマーケティングの常道。場合によっては価値観やライフスタイルまで、事細かに設定することもある。小説のキャラクターを作り込むような作業で一見遊びのようだが、もちろん遊びではない。ターゲットを作り込むことのメリットは、商品開発やプロモーションがやりやすくなるという点にある。

実際、この記事を読み進めると良く分かるが、スマートフォンのユーザーインターフェース、カラーバリエーションなど、“マイルドダンディ―”の行動パターンや嗜好、特徴に合わせたものだ。ディスプレイが大型化されていたり、簡単な操作で文字やアイコンを一括して拡大できたりと、中高年に配慮した設計になっている。カラーは深みのある中間色が2種類と、柔らかい輝きの銀色の3種類で、やはりターゲットの嗜好に合わせている。

ダンディーにせよヤンキーにせよ、マイルドが最近のトレンドだろうか。

 

能藤 久幸(のとう ひさゆき)執筆
一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会 ディレクター・認定トレーナー
株式会社イズアソシエイツ

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