セミナー・実践会・相談会でブランド課題を解決する

話題の事例

タグラインは「小江戸」。関東二古都のブランド力

投稿日:2019年7月18日 更新日:

「お江戸見たけりゃ佐原へござれ」。江戸時代の戯れ歌にもうたわれた千葉県香取市の佐原地区は利根川の水運で発展し、街なかには江戸期から明治期に建てられた商家や民家が今も立ち並ぶ。街の中心部を流れる小野川の遊覧船から見上げた両岸の風景は、かつて「江戸まさり」とたたえられた街の繁栄ぶりを今に伝えている。

(中略)

街最大のイベント「佐原の大祭」の山車行事は川越と同様、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に指定されている。ただ、集客力の面で埼玉の小江戸「川越」の後じんを拝しているのが現状だ。千葉県の集計によると、佐原周辺の観光客数は近隣の香取神宮などを含めて525万人(17年)。川越に比べると東京都心からのアクセスに難があり、集客には不利に働く。

西日本新聞 2019/6/17
千葉と埼玉の小江戸対決 魅力的なのは佐原か川越か

「小江戸○○」。いつ、誰がそう呼びはじめたのか定かではないが、たった三文字のタグラインで街の魅力を余すところなく――あるいはその実力以上に――伝えていて実に巧妙なコピーワークだ。

考えてみれば本来の「(大)江戸」である東京はおよそ「江戸」らしさを体現しているとは言い難い。もちろん浅草界隈、芝・増上寺周辺など局地的には「江戸」の雰囲気を感じさせるが、都市全体から受ける印象といえば“常にアップデートを繰り返すモダンな都市”というのが大方のイメージだろう。

それに引き換え、小江戸・佐倉、川越は規模的にも小さく、町全体として「江戸のジオラマ」のような趣がある。

本当の江戸を感じたければ、東京ではなく埼玉・千葉へ向かへ――。
「小江戸」というタグラインからはそんな強力な訴求力を感じるのだ。
BRANDINGLAB編集部 執筆
株式会社イズアソシエイツ

関連記事

酔えない社会での、高アルコール飲料ヒット要因とは

サントリースピリッツ株式会社より「-196℃ ストロングゼロ〈トリプルレモン〉」が、2019年7月23日(火)から夏限定で新しく発売されます。 「-196℃ ストロングゼロ〈トリプルレモン〉」は、20 …

海外市場からの撤退によるブランド・イメージの損耗

ジャスダック上場で装置部品製造の「フェローテックホールディングス」は、韓国の連結子会社「Ferrotec Advance Materials Korea」(韓国・唐津市)が行うCVD-SiC事業から撤 …

Jリーグ「町田ゼルビア」、紛糾した改称騒動に仮決着

J2のFC町田ゼルビアオーナーの親会社サイバーエージェントの藤田晋社長は、11日のサポーターミーティングでチーム名を「FC町田トウキョウ」に改名すると発表した件に関し、18日、20年は名称、ロゴ含め現 …

京アニ放火の衝撃

京都市のアニメ制作会社「京都アニメーション」のスタジオで起きた放火事件を受け、海外でも犠牲者を悼み、支援する動きが出ている。米アニメ配給会社「センタイフィルムワークス」は、支援金を募るためにインターネ …

ファンタジーから、生活へ。 新海誠監督作品と夏の憧憬

新海誠監督が2日、都内で行われた最新作『天気の子』の製作報告会見に出席し、本作について「東宝の夏映画として『王道の物語としてこんな風に終わると納得するよね』ということとは違うことをやっています」と語っ …

サイト内検索