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アマゾンに後れをとる、日本の流通業。対抗するための処方箋は

投稿日:2019年7月9日 更新日:

アマゾンジャパンは6月20日、Amazonマーケットプレイスに出品する日本の中小企業の販売事業者の2018年流通総額は9000億円を超えたと発表した。

Amazonマーケットプレイスに出品する日本の中小企業の販売事業者の販売状況をまとめた「2019年中小企業インパクトレポート」を発表したもの。

中小企業の販売事業者は15万社以上で、2018年に1分あたり約600個の商品を販売した
販売事業者の拠点がある県で、アマゾンでの成長率が最も高いのは、島根県となった。

世界でみると、主に中小企業による売上で構成されている販売事業者のAmazonでの流通総額は、2018年に1600億米ドルを超え、販売事業者様による商品販売数は、Amazonで販売されている商品の半数以上を占めた。

2018年、Amazonで100万米ドルの売上を達成している中小企業数は20%増加したという。

流通ニュース 2019/6/21
アマゾン/2018年の中小企業の流通総額9000億円を超える

アマゾンは、日本に進出してから取り扱い商品を徐々に拡大させ、現在では本以外の雑貨から家電や食品まで、幅広く商品を取り揃えている。その中でも個性的な商品が、アマゾンマーケットプレイスの出店商品だ。

アマゾンマーケットプレイスは、アマゾンが企業と個人の販売仲介をするサービスの一つだが、一般的には知名度の低い中小企業も数多く出店し、NBを超える個性的かつ高機能な商品や、コストパフォーマンスが非常に高い商品も複数散見される。インターネット上の仮想商店は、棚割りスペースの制約もないため、ロングテール商品の販売も可能であり、なおかつ全国・世界に向けて販売が可能になる。つまり、低コストで販促や拡販が可能なプラットフォームを、アマゾンが各企業へ提供しているのである。

このように豊富な商品構成と、選択する楽しみを顧客に提供することで、顧客とアマゾンの関係性を深め、より利用頻度を高めていくことが可能になる。そして、その顧客に対して積極的な商品開発とアピールを行うことで、中小企業が努力次第で売上を拡大させることが可能となる。結果としてアマゾンの収益にもつながるという、バリューチェーンが生まれている。

それに対し日本の流通業は苦戦が続いている。年々縮小する売上を、相互に奪い合って熾烈な競争を続けていくうちに、企業体力を弱らせてしまい、結果として経営統合などによって市場の寡占化が進んだ。寡占化した市場は敬遠され、最終的に顧客が離れるなどの反作用が発生している。

ただし、アマゾンにも弱点はある。販促のプラットフォームは提供しているが、無名な中小企業の発掘・育成能力については、まだ完成されていないというところだ。ここに、日本の流通業が対抗できる余地がある。

無名の中小企業を中長期的視点で育成し、強みをもつ企業に育て上げ、自社の独自資源に変えていくことは、かつての日本企業の得意技だった。現在は、それが失われて久しい。現在売れている商品や、これから確実に売れることが見込まれる企業の商品の流通を行うだけでは、日本の流通業の存在価値が無くなってしまう。アマゾンと双璧を成す、日本の未来を担う流通業の誕生が期待される。

 

武川 憲(たけかわ けん)執筆
一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会 シニアコンサルタント・認定トレーナー
株式会社イズアソシエイツ シニアコンサルタント
MBA:修士(経営管理)、経営士、特許庁・INPIT認定ブランド専門家(全国)
嘉悦大学 外部講師

経営戦略の組み立てを軸とした経営企画や新規事業開発、ビジネス・モデル開発に長年従事。国内外20強のブランド・マネジメントやライセンス事業に携わってきた。現在、嘉悦大学大学院(ビジネス創造研究科)博士後期課程在学中で、実務家と学生2足のわらじで活躍。
https://www.is-assoc.co.jp/branding_column/

 

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