セミナー・実践会・相談会でブランド課題を解決する

Case Study

瀕死のコロナ禍エンターテインメントビジネスの活路とは  ― ディズニーランドの生き残り戦略 【後編】

投稿日:2021年6月30日 更新日:

前編では、オリエンタルランドのビジネスモデルの利益構造について、分析をしてみました。
後編では、今後のオリエンタルランドのブランド戦略について検討していきます。

今回使用するフレームワークは、BCGのアドバンテージマトリクスです。著名なコンサルティングファームであるボストンコンサルティンググループの提唱したフレームワークで、企業の持つブランド競争優位性を分析する際に使用できます。このフレームワークでは、2軸で検討して、事業のタイプを4つに分類した上で、内容を検討していきます。

2軸については、
「競争となる要因が多いのか少ないのか」
「優位性を確保できる可能性が高いのか低いのか」
を基本として考えます。

更に、その事業の4つのタイプについては、下記のように分類します。
① 特化型事業
② 規模型事業
③ 分散型事業
④ 手詰まり型事業

ちなみに、利益を確保しにくい事業のタイプは、「分散型」と「手詰まり型」です。
では、その4つのタイプについて解説していきたいと思います。

① 特化型事業
業界の競争要因が多く、自社の優位性を確保できる可能性が高い事業が該当します。
主に、何らかの特定となる分野で強みを持つことによって、競合に対する優位性を確保することができます。例としては、医薬品などが挙げられます。

② 規模型事業
競争となる要因が少なく、自社の競争優位性を確保できる可能性が高く、規模の経済が働きやすい事業が該当します。
例としては、流通小売業が挙げられます。店舗数の多さや売上高の大きさによって購買力を高め、仕入原価を下げて販売価格の競争力を向上させ、業界をバイイングパワーで上回ることで規模の経済を効かせます。

③ 分散型事業
競争の要因が非常に多くあるために、自社の優位性を確保することが困難である事業が該当します。
規模の経済が効かず、大企業のような業界を牽引するプレイヤーが存在していない事業が対象となります。例としては、個人経営の飲食店などが挙げられます。

④ 手詰まり型事業
競争要因が少ない上に、優位性を確保できる可能性が低い事業が該当します。
このような事業は既にライフサイクルの衰退期に入っており、差別化することも困難であり、そもそも利益を上げていくことが難しい場合が多いです。例としては、個人商店などです。

最終的には、下記のようにこれらを全て1つの表にまとめることで、マトリクスが完成します。

 > 続きを読む 

関連記事

ブランドリスク管理の重要性について  ーサントリー社に見る、ブランド毀損と影響と余波【後編】

前編では、サントリー社のブランド毀損に繋がる経営者の問題発言に関する経緯と、これまでのサントリー社のマーケティング・ブランド戦略について検証してきました。 後編では、毀損したブランドの回復について検討 …

スターバックスの店舗

【誰にでもわかる!?】スターバックスから学ぶ3C分析

市場を分析する手法である3C分析は、マーケティングのフレームワーク(分析ツール)として知られていますが、ブランディングにおいても活用されています。 今回は、日本進出から20年あまりで1,000店舗を超 …

【特別寄稿】『ミッキーの家』に11時間待ち?!

東京ディズニーランドの「ミッキーの家とミート・ミッキー」で11時間待ちという驚きの記録が生まれたそうですね。 キャラクターが生まれて90周年という記念すべき日ではありましたが、特別のイベントもなく、平 …

chocolate_cake2

1つ3000円のガトーショコラでわかるブランディング術

イタリアンレストラン・ケンズカフェ東京の「特選ガトーショコラ」は、縦6㎝横13㎝高さ5㎝ほど。この小ぶりなスイーツは3000円という高値でありながら、お取り寄せで飛ぶように売れているのです。今回はその …

ブランド野菜の地域ブランディング~嬬恋村のブランドキャベツ~

キャベツで有名な嬬恋村で、今年も話題のレースが開催されます。 今年も“キャベツ感”がスゴい!毎年話題の参加賞、遂に公開! 「嬬恋キャベツヒルクライム2019」参加者募集中 8月2日まで サンケイスポー …

サイト内検索