セミナー・実践会・相談会でブランド課題を解決する

Branding Method

採用ブランディングの決め手は継続的な発信と接点の創出

投稿日:2019年6月27日 更新日:

採用ブランディングについて その5

重要なのはターゲットを絞った情報発信

既に述べてきたように、「採用ブランディング」とは世の中の万人をターゲットとした取り組みではありません。自社の将来の成長にとって必要な一握りの人材にターゲットを絞り、自社にとって譲れない点、柔軟に変えるべき点を明確にした上で、メッセージを発信し続けることだといえます。
従来の採用活動では、「就職・転職顕在層」をターゲットにし、「応募」という分かりやすいアクションを喚起するために、自社にとって都合の良い情報、場合によっては実態に即さない、イメージ重視の情報を発信することが多くの企業によって行われてきました。しかし、情報のチャネルが多様化し、求職者がその企業で実際に働いた人の口コミを容易に目にすることができる時代となり、こうしたアプローチは通用しづらくなっています。なにより実態とズレた情報によって応募し、採用された候補者であればあるほど、入社前のイメージとのミスマッチによって離職の確率が高くなりますから、結果的にはトータルの採用コストを引き上げることになるのです。また離職率の高さはそれ自体、採用ブランドに対して非常にネガティブな影響を与えます。

情報発信は継続的に、一貫性をもって

「採用ブランディング」を行おうとするなら、自社のターゲット層がどのような情報を必要としているのかを把握し、彼らが普段接しているメディア、その他の情報のチャネルを通じて、継続的な情報発信を行いましょう。具体的には、自社のWEBサイトや担当者のブログ、Facebook、Twitter、InstagramなどのSNS、あるいはPRを通じた外部メディア経由の発信などです。これらの情報チャネルを通じた発信において、必要なのはお金よりもむしろ一貫した戦略と、担当者の粘り強さ、社内を巻き込む熱量です。従来の採用活動で、コストをかけて制作したにもかかわらず十分に活用されなかったコンテンツはないでしょうか?新たにコストをかけるのではなく、情報チャネルを精査し、既存コンテンツの発信を徹底するだけでも十分なメリットが期待できます。

このような情報発信によって、ターゲットとなる人々に「あの企業で働くのはどんな感じか?」とイメージしてもらいやすくなり、「いつかあの会社で働きたい」と思ってくれる“ファン”を増やすことができます。多くの企業にとって、こうした活動の成果は目に見えづらく、また数百人単位の応募が来たり、数万人のフォロワーが集まったりといった華々しいものではありません。「採用ブランディング」に対し、持続的に社内を巻き込んで取り組むためには、オンラインでの情報発信と対面での面談・面接の中間に、「オフィスでのイベント」や「経営者によるセミナー、企業説明会」といった、お互いに顔の見える距離で相性を確かめることのできる「接点」を数多く設けることも有効です。

こうした接点を設けることで、徐々に「この会社で働いてみたい」と思うファンが増えている手応えを感じることができ、また直接自社の現状のイメージについてフィードバックを受けることもできるので、現場のモチベーションも高まり、着実な改善に繋がりやすいのです。

最後に

これまで、「採用ブランディング」の意義と取り組み方についてご説明しました。採用ブランディングは決して「即効性が高く、分かりやすく効果が現れる施策」とはいえませんが、腰を据えて取り組むことで確実に効果が見込める手法です。

自社の雇用主としてのスタンスやメッセージの明確化や、継続的な情報発信によって転職市場とのコミュニケーションの質を上げることには、求人媒体や人材紹介といった従来の採用手法や、注目されつつあるリファラル採用への間接的な効果も期待できます。エージェントや社員など、採用に関わる全てのステークホルダーに自社の採用ブランドが浸透することは、候補者に対するメッセージのブレや、ミスマッチにつながる応募など 採用活動全体の「ムダ」を省き、より効率的な採用活動を実現するための屋台骨 となり得るのです。

そういう点で「採用ブランディング」は決して「余裕が有る会社が取り組む、目新しい手法」ではなく、 本気で優秀な人材を獲得しようとする採用担当者が、経営者を巻き込んで最初に取り組むべきこと といっても過言ではないのではないでしょうか?

採用ブランディング 関連記事

その1 本当に欲しい人材を獲得する採用ブランディングとは

その2 採用ブランディングのターゲット設定と3C分析

その3 自社の採用ブランドの問題点を特定する

その4 カスタマージャーニーマップを採用ブランディングに活用する

その5 採用ブランディングの決め手は継続的な発信と接点の創出

 

松下 弘司(まつした こうじ)執筆
一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会 認定トレーナー
オラクルクローラー代表
戦略コンサルティングファームでプロジェクト・リーダーとして幅広い分野のBPRプロジェクトを経験。その後、コンサルティング会社オラクルクローラーズ(その後オラクルクローラーに改称)を立ち上げ、現在は、企業家として新規事業開発をするほか、企業の経営顧問として経営戦略・ブランディング(ブランド経営)の支援を行う。

https://brand-manager.jp/

関連記事

広告の反応が落ちている…でも改善方法はここにあり!

広告や販売促進には多くのコストがかかります。そのため普段から、広告反応の動向を見ている方も多いでしょう。しかし広告の反応が落ちてきたと感じたとき、どのように改善すればいいのか頭を悩ませている人も多いの …

乾電池からミキサー、自動車まで、性能をストーリー仕立てでPRするCMの数々

製品の品質を性能テストで実証し、ブランディングにつなげる手法が古くからあります。今回はその手法「性能テストブランディング」の事例を考えてみます。 性能テストブランディングとは 自社の製品をPRする際、 …

ケンタッキーフライドチキンの店外観

「カーネルおじさん」はどんな人?「創業者ブランディング」で高まる企業価値

創業者のキャラクターと業績をPRすることで、企業のブランディングにつながることがあります。今回は創業者のブランディングの事例とその効果について考えてみましょう。 創業者ブランディングの代表格「カーネル …

4p

成功例でわかる!マーケティングミックス(4P/4C)とは

マーケティングを行う際の最も基本的な戦略として、マーケティングミックスという考え方が1960年代に登場しました。マーケティングミックスとは、製品・サービスを売るための、マーケティング要素の組み合わせ( …

必要なときだけ購入できる!課金型ビジネスの成功事例3選

マーケティングの発想の中で、顧客に商品やサービスを提供するときは「モノ売り発想」から「コト売り発想」への転換がたびたび語られます。 顧客に与えるメリットを考えながら商品を提供すれば、新規顧客を見つけ出 …

サイト内検索