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ブルー・オーシャン戦略とは~アップルストア、エニタイムフィットネスを事例に解説~

投稿日:2018年6月8日 更新日:

海とヨット

「ブルー・オーシャン」とはビジネス会話中でも「競争のない市場」という意味でよく使われますが、経営書『ブルー・オーシャン戦略』(ダイヤモンド社、2015年)では「イノベーションを自ら起こし新市場を創造する」という意味で使われます。今回は『ブルー・オーシャン戦略』について、アップルストアとエニタイムフィットネスを事例に解説します。

もはや一般用語になった「ブルー・オーシャン」

「ブルー・オーシャン」という言葉は、ほとんどのビジネスパーソンはすでに耳にしたことがあると思います。「うちの業界もレッド・オーシャンだよなあ」とか、「どこかにブルー・オーシャンの市場がないかなあ」とか、そんな会話をよくします。

レッド・オーシャンは競争の激しい市場、ブルー・オーシャンは競争のない(少ない)市場という意味で使われていることがほとんどです。 ところで、「ブルー・オーシャン戦略」とはそもそも、経営学者のW・チャン・キムとレネ・モボルニュによる経営書『ブルー・オーシャン戦略』による理論であるということは、意外に知られていません。

イノベーションで自ら市場を創造すること

世間一般でいうブルー・オーシャンと、経営理論としてのブルー・オーシャンとでは、意味合いが若干違うかもしれません。

多くの方が市場をセグメンテーション(細分化)して、自社をより競争の少ないポジションに置くことがブルー・オーシャン戦略だと思われているかもしれません。また「ヘルスケア業界は今急成長しているから、ヘルスケア業界に参入しよう」と競争の少ない異業種に参入するというのもブルー・オーシャン戦略であると思われがちです。

しかし経営理論としてのブルー・オーシャン戦略は、そういったポジショニング理論とは異なる理論です。市場ありきではなく、自社がイノベーションを起こすことによって、新しい市場を自ら創造するのです。ですから「どこかにブルー・オーシャンの市場がないかなあ」という考え方は、理論でいうブルー・オーシャン戦略では成り立たない考え方になります。

4つのアクションでイノベーションを起こす

「イノベーションで新しい市場を創造するって簡単に言うけれども、実際できるかどうかは別次元でしょう」と思われがちですが、著者はきちんと、イノベーションを起こすためのツールをいくつも用意しています。その1つが今回紹介する「アクション・マトリクス」です。
これは4つの疑問に答えることでイノベーションが作り出せるというツールです。
ブルー・オーシャン戦略の図
Q1 業界常識として製品やサービスに備わっている要素のうち、取り除くべきものは何か。
Q2 業界標準と比べて思い切り減らすべきものは何か。
Q3 業界標準と比べて大胆に増やすべき要素は何か。
Q4 業界でこれまで提供されていない、今後付け加えるべき要素は何か。
つまり、「取り除く」「減らす」「増やす」「付け加える」の4つを行うことで、イノベーションが起こせるというものです。

イノベーションの事例

『ブルー・オーシャン戦略』ではサーカスと芸術を融合した「シルク・ドゥ・ソレイユ」を事例に出していますが、ここでは、フィットネスクラブの「エニタイムフィットネス」(コラム参照)とアップルの小売店舗「アップルストア」(コラム参照)を当てはめてみたいと思います。

エニタイムフィットネスの事例

エニタイムフィットネスは24時間営業しているフィットネスクラブで、現在国内350店舗を擁しています。プールやエクササイズスタジオなどを一切なくし、安い会費でジムを利用できる点が特徴です。

エニタイムフィットネスは次のようなアクションを起こしています。
ブルー・オーシャン戦略(エニタイムフィットネス)

Q1 取り除く=場所や水道光熱費などのコストも膨大なプール、同じく大浴場、場所やトレーナーの人件費がかかるエクササイズスタジオ。
Q2 減らす=スタッフの数、開店・閉店などの作業
Q3 増やす=営業時間(365日24時間)、コストパフォーマンス
Q4 付け加える=自宅近所にある利便性

アップルストアの事例

アップルストアはアップルの直営店舗で、独自の世界観を表出したデザインの店舗、アップル製品に熟達したスタッフ、数多くの体験できる端末などが特徴です。

アップルストアは次のとおりです。
ブルー・オーシャン戦略(アップルストア)
Q1 取り除く=POPやポスターなどの販促物、紙のパンフレット
Q2 減らす=派手な装飾
Q3 増やす=体験できる端末数、フロアの広さ
Q4 付け加える=洗練された装飾、製品に熟達したスタッフ、デザインなどの教育セッション、コミュニティスペース

競争のない世界でビジネスをする

いかかでしたでしょうか。こうしたツールを自社のビジネスに当てはめて考えれば、「天才」でなくても新しいイノベーションが起こせるように思えます。

ブルー・オーシャン戦略の目的は他社を打ち負かしてシェアを奪うことでも、ライバルの少ないポジションに逃げ込むことでもありません。自社のイノベーションの力で、新しい市場を創出し、競争を無意味化してしまう戦略です。同著には続編『ブルーオーシャン・シフト』(ダイヤモンド社、2018年)があり、ツールや最新の事例も多く掲載しています。競争のない世界でビジネスをするという理想に向かって、アイデアを絞ってみてはいかがでしょうか。

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