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Case Study

スターバックスとエシカルブランディング プレミアムラインの論拠と証明

投稿日:2019年8月21日 更新日:

スターバックスが1995年に日本に進出して、24年が経ちます。その間、日本のコーヒー文化は大きく変化しました。競合企業のタリーズコーヒーは1997年に運営を開始し、元来日本で喫茶店を展開していたドトールは、競合対策でエクセルシオールカフェを別ラインで展開するなど、日本でも一躍カフェブームが到来します。

インスタントではない、本格的なコーヒーの美味しさと、カフェのお洒落さに目覚めた日本においては、本格コーヒーと上質な空間を提供するカフェが急速に普及し、それと同時に、昔ながらの街の喫茶店は減少の一途を辿りました。結果として、お洒落で独創的なカフェが次々に台頭し、今では街を歩くと、個人経営の珈琲豆販売店兼カフェのような形態の店を、沢山目にするようになりました。

こういった個人経営のカフェは、経営者の趣味嗜好を反映した、一般市場では流通しない珍しいコーヒー豆や、独特の焙煎手法を駆使した、一風変わったオリジナルコーヒーなどの取り扱いをしていることが多くなります。そのため、既存のチェーン店によるカフェとの差別化が、自動的に行われることとなりました。

そのようななか、現在スターバックスで話題を呼んでいるのが、2月に開業したスターバックス・リザーブ・ロースタリー東京(中目黒)です。

中目黒「スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京」から季節に合わせた11種の新ドリンク!

2月にオープンした中目黒の「スターバックス リザーブ® ロースタリー」でこれからの季節にピッタリな11種の新作が発売する。1階のメインバーに1種、2階のティバーナ™に2種、3階のアリビアーモ™に6種の新ドリンクがラインナップ。発売日は1種類を除いて7月3日。1階のメインバーに登場する”エスプレッソ LOVES コーラ”は一般的なコーラの素材を一切使用せず、エスプレッソ、スパイス、レモン、バニラなどを組み合わせて作られた独自のコーラだ。価格は900円(税別)。

GQ JAPAN 2019/6/27

スターバックス・リザーブ・ロースタリー東京は、世界でも5番目の高級店舗としてオープンしました。それ以外にも、現在スターバックス・リザーブ・バーとして、一部店舗において、高級豆によるプレミアムコーヒーを提供しています。

STARBUCKS RESERVE

https://www.starbucks.co.jp/coffee/reserve/

スターバックスコーヒージャパン ホームページ

こちらの店舗では、スターバックス・リザーブ・バーのみで取り扱っている、高級コーヒー豆を、スターバックス・リザーブ・バー専用に使用されるマシン(クローバー)で、コーヒーを抽出します。コーヒーの抽出過程や風味、現地でのコーヒー豆の栽培状況などについて、バリスタが顧客の目の前で解説し、コーヒーのストーリーが語られる仕組みとなっています。こうすることで、コーヒーを飲むだけでなく、その抽出過程までもストーリーとしてサービスとして一体感をもって取り扱うことで、顧客に対するプレミアム感が醸成され、プレミアムブランドとしての付加価値が高まります。

このように、スターバックスはスターバックス・リザーブ・バーなどを通じて、競合企業との差別化を図りつつ、顧客への上質な付加価値を提供するという、企業ブランディングに力を入れている訳ですが、それと同時にサービス利用者である、顧客自身をブランディングさせることが可能になる試みも実施しています。それが、エシカルコーヒーへの取り組みです。

エシカルな調達

https://www.starbucks.co.jp/socialimpact/glocallyresponsible/ethicalsourcing/

スターバックスコーヒージャパン ホームページ

Ethically Connecting Day ~エシカルなコーヒーの日~

https://www.starbucks.co.jp/responsibility/ethicalsourcing/store.html

スターバックスコーヒージャパン ホームページ

「エシカル」は近年だいぶ社会的に広まってきましたが、地域や国・文化を支援すると同時に、地球規模で社会的な意義のある事業を達成しようという試みです。特定地域・領域での支援である、フェアトレードの概念を、さらに発展・拡大させた意欲的な考えであるといえます。欧米諸国では、先進的な企業において、社会的な概念として共有されており、既にいくつかの企業で具体的な事業や運営が開始されています。

つまり、顧客がスターバックスを利用することは、スターバックスのエシカル事業を応援することでもあり、なおかつそのことを理解して利用している顧客は、自動的に自身が付加価値のある存在であるという、セルフ・ブランディングが可能になるということです。そのため、会社の成長が、利用者の意識の成長とリンクすることになるのです。これは、企業としても大きな強みとなります。

各国が、SDGs:「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」に基づき、さまざまな施策を検討するなか、企業として先駆的な役割を担うスターバックスが、次にどのような画期的な施策を出してくるか、今後が楽しみなところであります。

 

武川 憲(たけかわ けん)執筆
一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会 シニアコンサルタント・認定トレーナー
株式会社イズアソシエイツ シニアコンサルタント
MBA:修士(経営管理)、経営士、特許庁・INPIT認定ブランド専門家(全国)
嘉悦大学 外部講師

経営戦略の組み立てを軸とした経営企画や新規事業開発、ビジネス・モデル開発に長年従事。国内外20強のブランド・マネジメントやライセンス事業に携わってきた。現在、嘉悦大学大学院(ビジネス創造研究科)博士後期課程在学中で、実務家と学生2足のわらじで活躍。
https://www.is-assoc.co.jp/branding_column/

 

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