士業の方、コンサルタントの方、企業の営業パーソンの方にとっては特に、自分自身をブランディングする「パーソナルブランディング」が重要になってきます。
一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会の認定トレーナーでもある草間淳哉氏(株式会社ウェブエイト代表取締役社長)は『自分1人、1日でできるパーソナルブランディング』を著されました。今回はこの本のポイントを解説します。
パーソナルブランディング=「魅力的なあなたっぽさ創造活動」
草間氏は中小企業をブランディング戦略からサポートし、ウェブでブランドを浸透させるスペシャリスト。数々のコンサルタント事例があり、オーディオ中古販売「オーディオ買取屋」のブランディング支援により、2016年ブランディング事例コンテスト(一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会主催)で準大賞を受賞するなど活躍されています。数々の成功事例は同著でも紹介されています。
さて同著ですが、まず冒頭に「パーソナルブランディング」を、「魅力的なあなたっぽさ創造活動」と定義し、「○○で困ったらあの人」「○○買うならあの人」と思い起こされるようにしていくことが目的であるとしています。とてもわかりやすいですね。
この本では、さまざまなティップス(コツ)や、役立つサイトやサービスなどの情報がふんだんに盛り込まれています。クラウド秘書サービスやクラウドスタイリストサービス、さらにはCMをバーターで放送するなど、具体的なコツや情報は、ぜひ同著をお読みいただければと思います。
パーソナルブランディングの8つのステップ
その上で、草間氏が掲げるパーソナルブランディングの8つのステップの概要を紹介します。
STEP1 まずは自分をもっと知ることから
エニアグラムという性格分類を活用し、9つのタイプのうち自分はどれに属しているのかを診断します。先祖や親などからどういう性格を受け継いだのか、キャリアを始めた時と今の自分とはどう違うのかを分析して、未来予想を描くとともに、自信と誇りを身に着けます。自分の強みを30個書きあげ、明文化します。
STEP2 あなたを本当に必要としている人は誰ですか?
今までの顧客を「良い顧客」「平均的な顧客」「悪い顧客」の3つに分類し、「3カスタマーシート」に記入、顧客それぞれの基本属性を書き出します。自分にとって「良い顧客」の象徴的人物(ペルソナ)を描きます。そして顧客が求めていること、どうなったら顧客が幸せになれるのかを書き出します。
STEP3 ライバルのことを丸裸にしてしまおう
ライバルを5社抜き出し、ライバルのブログやウェブサイトを解析します。ライバルの強み、弱みを洗い出します。
STEP4 自分の軸を作り出す
3C分析(自社、顧客、ライバル)を行い、独自の強みを見出すとともに、イノベーションを起こせるような独自の領域を生み出します。そしてパーソナルアイデンティティ(自分らしさを明文化したもの)を作り、浸透させるためにキャッチコピー化します。
STEP5 具体的にパーソナルブランドを確立させる
ウェブのサービスを利用して、自分のカラー、スタイル、香り、服装などを決めます。
STEP6 ブログでパーソナルブランドを浸透させる
共感を得られるストーリーテリングを用いたプロフィールを作成し、ブログを始めます。
STEP7 SNSでパーソナルブランドを浸透させる
フェイスブック、インスタグラム、ツイッター、LINEなどでパーソナルブランドを浸透させます。
STEP8 パーソナルブランドをさらに飛躍させる
クラウド秘書サービス、プレスリリース、バーターによるCM放送などを活用します。
個人事業主に欠かせないクラウドサービス
この本を通してわかることは、企業のマーケティング理論、例えばSTP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)や3C分析などが、個人においても活用できるということです。
もう一つは、インターネットであらゆる活動がこなせるということです。SNSやブログなどのメディアだけではありません。ネットのクラウドサービスが、パーソナルカラーを診断したり、いろいろな質問に答えたり、服装を決めてくれたりと、全部解決してくれます。
この本は中小企業のビジネスパーソン、個人事業主、士業、フリーランスの方に特にお勧めしています。個人事業主がパーソナルブランディングを行うためには、今やクラウドサービスが欠かせません。そういった方にぜひお読みいただければと思います。