ローソンが、今後は本屋携帯のコンビニエンスストアを展開していく予定であることと、その背景について前編にて解説を行いました。
後編では、ローソンが本屋を展開するにあたり、他の競合企業よりも有利な点について解説していきたいと思います。
本屋との相性が良い業態とは、何でしょうか?
東京の神保町は、本屋が沢山あります。
この地域を散策すると、古書から新刊本まで非常に沢山の本を購入することが可能です。
そんな神保町で欠かせないお店が、カフェや喫茶店です。
老舗の喫茶店から、チェーンストア系のカフェ、個性的な個人店のカフェまで、幅広いお店がこの地域には集合しています。
最近ではブックカフェとして、本屋とカフェが併設された店舗も多くなっています。それらのお店は人気店も多く、需要も高いようです。
そんな訳で、元々、本屋とカフェは相性がいいんですね。
ところでローソンを代表する人気商品は、何でしょうか?
それは、「ウチカフェ」(Uchi Café)シリーズのコンビニスイーツです。
(参照:株式会社ローソンウェブサイト)
実際に、インターネットでのアンケート調査でも、ローソンはコンビニスイーツとしての高い知名度と印象を誇っています。
【ローソン・セブン・ファミマなど】スイーツが一番おいしいと思う「コンビニ」はどこ?
(ねとらぼ調査隊 ホームページ 2021年6月10日配信記事)
https://nlab.itmedia.co.jp/research/articles/237485/vote_result/
つまり、
LAWSON = ウチカフェ = 本屋
という公式が成立しやすくなるという、好循環のブランド連想が行われやすくなっているのです。
この状況を3C分析で整理してみると、下記のようになります。
食品購入が目的の顧客が多いため、主な競合企業は他のコンビニエンスストアや、「ウチカフェ」で競合となるカフェチェーンです。
競合企業に対する差別化としては、前述の通り顧客支持の高いスイーツが、年中無休で24時間購入できることでしょう。
カフェチェーンのメニューでも最近はスイーツが非常に充実してきましたが、手軽にいつでも購入できるというのは、コンビニスイーツの最大の利点です。
また昨今の社会情勢を鑑みると、店内飲食が難しく、テレワークやステイホームなどによりテイクアウトが購入の選択肢になっていることを考えると、なおさらテイクアウトが主体である「ウチカフェ」の利点が上がってくることになります。
そのため、ローソンの打ち手としては
・「ウチカフェ」ブランドを活かせる商材を拡販する
・テイクアウトやステイホーム需要に対応できる商材カテゴリを拡充する
ということになります。
これらを踏まえて、今回の本屋展開を図る店舗について改めて3C分析を行うと、下記のようになりました。
通常店舗と異なり、書籍を拡充することで客単価を上げることが可能になっています。