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Case Study

ふるさと納税による地域ブランディング ーフレーム「ブランド・アイデンティティ・プリズム 」からの考察【前編】

投稿日:2022年3月10日 更新日:

個人が選べる納税制度として社会的にもすっかり定着したふるさと納税ですが、これからは企業版でもそれが始まる模様です。

企業版ふるさと納税を後押し 地銀・信金、取引先に

地方銀行と信用金庫が取引先企業の福利厚生の充実を支援するため、「企業版ふるさと納税」制度の利用を後押しする取り組みを共同展開することが27日、分かった。地銀や信金は取引先企業に自治体への寄付を促すことで、間接的に手数料収入を確保できる。寄付した企業もあまりお金をかけずに従業員の福利厚生を充実させられる仕組みだ。全国13の地銀と信金が実施に向けて最終調整し、新生銀行を傘下に置き、地銀にも出資するSBIホールディングスも参加を検討している。

企業版ふるさと納税は、自治体の地域活性化事業に寄付した企業の法人税などの税負担を最大9割軽減する制度。

(2021年12月27日 yahooニュース 共同通信 配信記事)
https://news.yahoo.co.jp/articles/aad69a3d994eb2089b044f570285d05565cc785a

ふるさと納税は、人口移動によって税収が厳しくなっている地域への、新たな税収確保の手段として始まりました。

これに伴い、各地域が工夫をこらして納税に対する返礼品を用意しており、地域の特産品や独自性のある商品開発につながるなど、直接的な税収だけでなく、地域経済的にも様々な効果をもたらしています。

このふるさと納税によって、初めてその地域のことを知ってもらったり、興味を持ってもらった人の旅行や移住に至ったりなど、色々な波及効果があるようです。

一例として、ふるさと納税によって大きく知名度が上がった地域としては、宮崎県の都城市が挙げられます。芋焼酎の「黒霧島」で全国的に人気を獲得している、霧島酒造が本社・製造拠点を置く地域です。

おかげさまで3年連続! “日本一の肉と焼酎のふるさと”宮崎県都城市が今年も大賞の栄誉に!!

“日本一の肉と焼酎のふるさと”宮崎県都城市(市長:池田宜永)は、インターネット総合ショッピングモールの楽天市場において、楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2021「ふるさと納税大賞」を受賞いたしました。都城市は2018年から「ふるさと納税賞」に4年連続で入賞しており、「ふるさと納税大賞」は2019年に初受賞して以来、3年連続の受賞となります。

▼楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2021「ふるさと納税大賞」受賞自治体発表ページ
https://event.rakuten.co.jp/furusato/special/soy/

■「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー」とは?

お客様による投票数、2021年度の売上、売上の成長率、注文件数、お客様対応などから年間のベストショップが選ばれる楽天市場の表彰制度です。5万5,000ショップ以上の中から最も秀でたショップに授与されます。

2016年度から「ふるさと納税賞」が設立され、楽天ふるさと納税に参加している自治体の中で、3自治体が選出されます。
(楽天市場WEBサイトより引用)

・楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー
https://event.rakuten.co.jp/soyshop/

(2022年2月10日 PRTIMES 配信記事)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000089746.html

そのような意味でも、今後もふるさと納税制度が継続する限りは、地域ブランディング戦略が特に重要になっていくことが想定されます。

また、都城市のある霧島地域は名水やお茶のアピールにも成功しています。

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