前編では、メルカリ社の事業ブランドのPPMについて検討してみました。後編では、別の観点で内容を確認していきたいと思います。
メルカリの事業領域について、別のフレームワークで検証してみます。整理に用いるフレームワークは、事業の競争優位性を分析するコトラーの競争地位4類型です。
その結果、メルカリ社の事業ブランドの競争地位は下記の通りになりました。
まず、ここから推定できることは、資源量が多く独自性が低い事業にテコ入れすることで、現況のチャレンジャーという立場からリーダーという立場に引き上げ、業界シェアを拡大させることが、最も効率的な投資配分になり得るということです。
電子決済サービスは、現金に代わって電子上での決済サービスを提供するということで、現金に対する代替性があります。
ただ、電子決済サービス自体は技術力があればどの会社でも実現可能なものであるため、競合他社に対しての独自性が低く、絶対的な競争力の源泉とはなりませんし、競争優位性を確保できません。
そのため、電子決済サービスそのものだけでなく、そのサービスの利用方法が競合他社に対する競争要因となります。