とらや
- パッケージ
日本を代表する和菓子屋であるとらやは、これからも愛される存在であり続けるために、2005年からロゴやパッケージのデザインを変更し、その装いを新たにしています。その意図を、紐解いていきましょう。
≪注意書き≫本記事は各ライターによる情報収集によって作成されているため、主観や意見、事実と異なる文言が含まれている可能性をあることをご了承ください。
背景
羊羹や最中をはじめとする和菓子でおなじみのとらやは、室町時代後期に創業し、御所の御用をつとめながら今に至ります。天皇家や宮家などの高位の方から「御銘」をいただく菓子もあり、名実ともに日本を代表する和菓子屋として、歴史を紡いできたのです。しかし、その長い歴史のなかで、徐々に商品は多種多様に、パッケージはテイストの統一感を失っていきました。また若年層の和菓子離れも、売上に影響を及ぼしていました。
戦略意図
和菓子の魅力を、若い方たちにも知ってほしい。そして「とらや」の歴史が生み出す豊かな世界観を感じてほしい。そのために、全ての商品のパッケージをリニューアルすることにしました。大きく変えるのではなく、整えることに重点を置き、ブランド全体を一人のクリエイティブディレクターが監督する体制を敷くことで、多くのデザイナーがそれぞれの感性を発揮しつつも統一された「とらやらしさ」を多くの商品のパッケージ上で表現しています。
表現意図
羊羹や最中などの和菓子が持つ柔らかな雰囲気と、500年の歴史と伝統の2つを、パッケージデザインで同時に表現しました。例えば文字は全て、同じ書家が書いています。配色も、軽い印象を与えないように細心の注意が払われています。季節を感じさせるイラストも、とらやのブランドイメージを壊さず、しかし新鮮さも感じさせるような絶妙なトーンで統一され、とらやの世界観を伝えています。
まとめ
これらのパッケージによって、幅広い年齢層のお客様に懐かしさと新しさを感じてもらうことができました。今では、新商品が発売されると、SNS上でパッケージも含めた投稿が盛り上がりを見せています。