CBOメディア

ケンタッキーフライドチキン|今日、ケンタッキーにしない?

  • タグライン(スローガン)

やや業績が伸び悩んでいた日本ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)は、2018年6月からスタートしたCMをきっかけに新たなブランドイメージをつかむことに成功しました。
コロナ禍、消費増税における外食の8%の適用、激変する市場の中で数多のライバルたちの中から「ケンタッキーフライドチキン」が選ばれる鍵となった、「今日、ケンタッキーにしない?」秀逸スローガンの戦略に迫ります。
≪注意書き≫本記事は各ライターによる情報収集によって作成されているため、主観や意見、事実と異なる文言が含まれている可能性をあることをご了承ください。
背景
1970年代に日本での本格的な国内展開を始めたケンタッキー(KFC)、その当時は専業主婦家庭がほとんどだったため、商品ラインナップ、CMをファミリー層へと訴求する戦略を取りました。
その後クリスマスにはチキンと、季節感を打ち出し、ケンタッキーといえば「クリスマス」や「ファミリー」で食べるといった強固なブランドイメージを築くに至りました。
戦略意図
しかし、そのブランドイメージはファミリー層以外、クリスマス以外の需要が伸び悩むほど強いものになっていきました。
家族スタイルの多様化とともに消費者のニーズが変化して行く中で、いかに若者を取り込み、クリスマス需要の特別感を維持しつつも、日常の食事、「日常食」としての選択肢に入ることができるか。
コンビニエンスストアでのフライドチキン販売の影響や外中食産業の多様化といった厳しい市場環境の中で、KFCは「日常食」として利用できるセットメニューの強化に加え、1人で食べきれるメニューや、ランチタイムには500円の「Sランチ」などを展開し、若者が手に取りやすい割安なセットを揃えました。
そして合わせて展開した高畑充希氏を採用したCMが、幅広い層にケンタッキーフライドチキンの日常使いをアピールする「今日、ケンタッキーにしない?」のキャッチフレーズでした。
表現意図
高畑氏が1人で家や店でチキンを食べるシーンを流し、1人での利用を促進したところ、SNSには平日にケンタッキーフライドチキンを食べる投稿が増えていきました。
ケンタッキーフライドチキンは、誰もが一度は食べたことがあり、美味しいことは分かっているけど、価格やイベントの時に食べるもの、といった“特別感”がありました。だからこそ『今日、軽い気持ちであのおいしい味を食べようよ』『普通の日に食べてもいいんじゃない?』と呼びかけるコピーに多くの人がハッとしたのです。
まとめ
KFCはコロナ禍で外食産業が苦境に立たされる中、17か月連続で前年同月比売上増を記録しました。(2020年5月時点)
創り上げたブランドイメージを損なうことなく、市場や消費者のニーズの変化にあわせ、新しいイメージとユーザーの獲得に成功した見事な戦略に脱帽です。
 
一覧へ戻る