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横須賀美術館

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横須賀美術館は、市制100周年を記念して2007年に開館しました。海と緑に囲まれた環境のなかで、アートと自然を気軽に楽しめます。この美術館の顔とも言えるオリジナルピクトグラム(案内記号絵文字)「よこすかくん」は、どのように誕生し、どのような役割を果たしているのでしょうか。
≪注意書き≫本記事は各ライターによる情報収集によって作成されているため、主観や意見、事実と異なる文言が含まれている可能性をあることをご了承ください。
背景
横須賀美術館は市立の施設であるため、第一に横須賀市民に求められる場所でなければいけませんでした。開館にあたっては、市民の声を吸い上げるためのワークショップなどを実施。出てきたのは税金の活用などの点でポジティブな意見ばかりではありませんでした。地元の人々にいかに愛され、必要な場所になるか、という課題が生まれました。
戦略意図
地元の人々が気軽に楽しめ、愛着を持てる美術館にすべく、収蔵品をはじめさまざまな部分でアクションがなされました。その中の一つに「館内サイン」がありました。トイレやエレベーターなど館内を案内するサインは来館者が必ず目にするもので、その空間のイメージに大きな影響を与えます。横須賀美術館への愛着につながるようなサインであり、かつ、インバウンド対応として言語を越えて誰もが理解できるサイン。この2点を実現できるアイデアとして、「人」の動作をアイコニックにビジュアル化するピクトグラムによるデザイン戦略がとられました。
表現意図
「愛着」というと顔や表情のチャーミングさが想起されますが、このデザインに顔や表情などは描かれませんでした。人をモチーフにしていますが、あくまでサイン。その機能を果たすためには、場所を示す動作がシンボリックで分かりやすく描かれていることが最も大切だからです。たどり着いた表現は、線画のシンプルなオリジナルピクトグラムで、余白のあるデザインです。余分なことが描かれていないからこそ、生きているような、今にも動き出しそうな想像を掻き立てられます。この「人」をモチーフとしたオリジナルピクトグラムは、地元の人々の身近な存在になれるよう、「よこすかくん」と名付けられました。
まとめ
よこすかくんは、オリジナルピクトグラムで表現された館内サインとして誕生しました。地元の人々をはじめ、たくさんの人々に愛着を持たれることで、キャラクターのような存在になっていきました。今では、ミュージアムグッズなどにも多く採用され、美術館の顔となっています。愛着という人間のど真ん中の感情を捕まえることができれば、想像していた以上の広がりを生むことができるのかもしれません。
 
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