ブランド経営戦略コミュニティ 運営会社について
twitter
セミナー・実践会・相談会でブランド課題を解決する

Case Study

「替え刃モデル」の歴史と未来〜ジレットのカミソリからアマゾンの発注ボタンまで〜

投稿日:2018年7月20日 更新日:

カミソリ

商品の本体を安く売って顧客を囲い込み、その後の消耗品やサービスで儲けるビジネスモデルは、1903年にカミソリの替え刃を発明したジレットが最初だといわれています。このビジネスモデルは色あせるどころかあらゆる業界に活用されてきました。そしてアマゾンは近い将来、このビジネスモデルで購買行動の大変革をもくろんでいます。解説しましょう。

消耗品で大きく儲ける「替え刃モデル」

替え刃式のカミソリの本体を一度購入してしまえば、ジレットの本体ならばジレットの替え刃を、シックの本体ならばシックの替え刃を買い続けることになります。本体購入によって一度掴んだ顧客を囲い込み、恒久的に利益を上げられるこのビジネスモデルは「替え刃モデル」ともいわれています。
このビジネスモデルは100年以上にわたって、あらゆる産業で応用されてきました。例えばプリンターは、基本的に一度購入したメーカーのトナー/インクを使い続けることになります。スマートフォンと通信料なども好例です。そのほか家庭用ゲーム機とゲームソフト、コーヒーマシーンと粉末カプセルなどさまざまな例があります。

ボタン一つで消耗品を補充

Amazon Dash Button

この「替え刃モデル」の究極型といえるのが、アマゾンが構想する「ダッシュ補充サービス」(DRS)ではないでしょうか。
アマゾンは2015年、「ダッシュボタン」と呼ばれるWiFi接続端末を発売しました。特定商品を注文する機能だけを持った文字通りのボタンで、例えば洗濯機のそばにダッシュボタンを置いておけば、洗剤が切れたときにダッシュボタンを押すだけでアマゾンへの注文が完了します。アマゾンは洗剤だけでなく、ペーパータオル、紙おむつ、そしてまさにジレットのカミソリの替え刃などさまざまな日用品のボタンを用意しています。

「ダッシュ補充サービス」は究極の替え刃モデル

Amazon Dash Replenishment

アマゾンのダッシュボタンは「ダッシュ補充サービス」(DRS)の最初の一手にすぎません。将来はダッシュボタンの機能を持ったアプリケーションを製品そのものに組み込めるようにする予定です。つまり洗濯機や冷蔵庫が自ら洗剤や牛乳の補充時期を判断して自動発注してくれるのです。当然全部アマゾン経由です。ダッシュボタンやDRSのアプリケーションは無償で提供して消費者やメーカーを囲い込み、自身は消耗品で儲けようとする「ダッシュ補充サービス」は、究極の「替え刃モデル」といえるのではないでしょうか。

脱コモディティ化と体験型ストアへの転換を

このサービスが普及したら、あらゆる補充型商品がDRSによって家庭に自動補充されます。例えば洗剤、牛乳、紙おむつ、ドッグフード、電球、掃除機のパック、エアコンのフィルター等々です。
そうなると困るのはスーパーやホームセンターなどの小売業です。あらゆる補充型商品がアマゾン経由になるなか、小売はどうやって生き残ればいいでしょうか。
これからの小売は、まさしく日用品(コモディティ)からの脱却が必要になります。
例えば文房具店では、すでにセレクトショップ化したり、文房具を含むライフスタイルを提案するショップなどに変革している店が増えています。そのなかで、コモディティ、特にコピー用紙やボールペンなどの補充型商品を並べているだけの店舗は、時代の波に取り残され、淘汰されるかもしれません。
ネット通販の勢いが増す中で、リアル店舗は何ができるのかを常に探る姿勢が必要でしょう。

関連記事

メルカリのブランド拡張によるシナジー効果を考察  ーメルペイが狙うBNPL市場 そのブランド戦略と狙い【前編】

インターネットでのフリーマーケット(以後フリマ)のアプリサービスで伸長したブランドメルカリ社が、自社で展開する決済サービスのメルペイを進化させ、新たな市場 の掘り起こしを矢継ぎ早に進めています。 メル …

EDITION

2020年、日本初上陸のホテル「EDITION」をチェック!

(出典:http://www.marriott.co.jp/brands.mi) ザ・リッツ・カールトンを運営する、世界的に有名なホテル会社「マリオット・インターナショナル」が最高級グレードである「E …

無印良品

無印良品の「これでいい」ブランドコンセプト

無印良品は1980年にスーパーマーケット西友のプライベート・ブランドとして出発、1989年に「株式会社良品計画」のブランドとなり、翌1990年に本格的に小売業として展開を始め、現在は全世界で900店舗 …

ブランド野菜の地域ブランディング~嬬恋村のブランドキャベツ~

キャベツで有名な嬬恋村で、今年も話題のレースが開催されます。 今年も“キャベツ感”がスゴい!毎年話題の参加賞、遂に公開! 「嬬恋キャベツヒルクライム2019」参加者募集中 8月2日まで サンケイスポー …

バルミューダのトースター

「モノ」を売らずに「体験」を提供することで情緒的価値を生み出す 〜「ドヤ家電」バルミューダのトースター〜

(出典:https://www.balmuda.com/jp/about/) ドヤ家電という言葉をご存知でしょうか。ドヤ家電とは、ついつい人に自慢したくなるような家電製品のこと。日経MJが発表した20 …

サイト内検索