星野リゾート 界
- ブランド体験
背景
軽井沢で最初の旅館を開業してから2022年で108年目を迎えた、星野リゾート。「リゾート運営の達人」として数々のリゾートを復活させてきました。現在では主に「星のや」「界」「リゾナーレ」という3つのサブブランド、そして「OMO」など新しいタイプの宿泊施設を運営しています。今回はその中でも「王道なのに、あたらしい」を掲げ、国内19施設に広がる温泉旅館「界」のブランド体験をご紹介します。
ブランド・アイデンティティ
星野リゾートの「界」は、温泉文化を現代風にアレンジしつつ、地域の魅力を再発見できる場所を目指しています。19施設の一つひとつで異なるコンセプトが設定されているため、星野リゾート「界」でしか味わえない、ではなくそれぞれの「界」でしか味わえないおもてなしが用意されているのです。
購入/体験前(Before)
・TwitterやInstagramなどのSNSによる情報発信。
TVCMなどのマスメディアよりも、ターゲットと近い距離で情報を発信できるSNSによるPRに重きをおいています。
・代表が情報番組やビジネス雑誌などで紹介され、そのおもてなしの精神をPR。
トップの考え方を知ることで、その考え方に基づいて運営されている施設にも興味が湧いてくることが期待できます。
・実際に泊まった一般の人がSNSでその魅力を発信。
細やかな気遣いやセンスの良さに感動したら、誰かに話したくなるもの。そうして挙がった「また行ってみたい」というユーザーの生の声に、ターゲットは強く興味喚起されています。
実は星野リゾートは、まだ訪れたことのない20代の若年層からも「オープンで正直なブランドである」「自分にとって意味がある」「いい気分にさせてくれる」という評価が高いことが特徴です。これはブランドが目指している世界観を押し付けるのではなく共感してもらうことに重きを置いたリーチ施策を実施しているからと考えられます。
購入/体験時(Experience)
・スタッフ全員が女将さん、を目指した柔軟なおもてなしを実現する仕組みづくり。
食事の際にお客様がお味噌汁をお代わりした、という小さなことも共有し、次回のお食事には大きめのお椀でお味噌汁をお出しする…など、細やかな気遣いを全員が負担なくできるようなシステムを構築しています。
・地域の魅力を伝える空間、食事、接客。
例えば「界 別府」では、別府温泉の昔ながらの町並みやお祭りを感じさせる内装となっています。さらに別府の名産品をお茶菓子として客室に設置したり、料理も地のものを用意したりするだけでなく、周辺のおすすめの散歩コースを案内するなどエリア全体を愉しんで頂こうという意図が感じられるつくりとなっています。
でしゃばりすぎず、しかし丁寧なおもてなしでお客様に喜んでいただく。そんな「ちょうどいい」サービスが「界」らしさを形作り、訪れた人を感動させています。
購入/体験後(After)
・サブブランドを横断した誘致
食事中のお品書きで、施設ごとのオリジナルメニューを紹介するなど、体験の中で「界」の他の施設や「星のや」「OMO」といった他ブランドのさりげない紹介を用意。「他の施設・ブランドにも行ってみたい」という興味喚起を狙っています。
「界」を始めとする星野リゾートのサブブランドは、一つの確固たるブランドへと成長を遂げている過渡期です。しかし、どちらにしてもグループ間のシナジー効果が生まれ、高い満足度とともに次の旅でも星野リゾートを利用したい、というリピートにつながっているのです。