株式会社丸亀製麺
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2000年に1号店をオープンして以来、またたくまに全国へ展開し、うどん店業界としては初の全47都道府県への出店を達成した「丸亀製麺」。しかしそもそもの母体は讃岐地方の企業でもなく、そして老舗のうどん屋でもない、焼き鳥のファミリーレストラン運営が主力の企業でした。 讃岐うどん店として確立させた自社のコアに基づいたブランドづくり。そして、ここ数年落ち込んだ売り上げをV字回復させたのも、創業時から一貫して貫いた理念と戦略に基づいた原点回帰でした。
≪注意書き≫本記事は各ライターによる情報収集によって作成されているため、主観や意見、事実と異なる文言が含まれている可能性をあることをご了承ください。
背景
「丸亀製麺」の基にあるもの、それは徹底した顧客体験の追求です。
2000年ごろ、讃岐うどん本場の地域でうどんブームが起こりました。けして交通の便が良い土地ではないところへ、人々は時間をかけて行き、そして200円から300円の一杯のうどんを何時間も並んで食べる。この人を惹きつける力は何か。その「顧客体験」を徹底的に追求し実現したのが「丸亀製麺」の成功の鍵でした。
戦略意図
丸亀製麺の戦略の根本を支えているのは、各店舗内に製麺機を設置していること。通常単価の安い外食チェーンであれば、セントラルキッチンを作りその周辺に店舗を展開します。店舗内に製麺機を持つと初期費用や、固定費そして人件費など、そこに効率や規模の経済性は効かなくなります。しかし、このことこそが他の競合と大きな差別化要因を作り出しました。セントラルキッチンがないことで柔軟に出店できる。初期投資や人件費のかかる製麺機の設置を他社は嫌がり模倣しない。そして何よりも店舗で麺を作っていることを謳うことで、「本物感のあるうどん屋」を表現できることにつながりました。
表現意図
しかし、コロナ禍の影響以前の2018年ごろから丸亀製麺の客足は鈍るようになり、売上の毎月前年割れが続くようになってきました。
ここで登用されたのが著名なマーケッターでした。
マーケッターは売上回復を目的に行われている期間限定商品やトッピングを売りにした広告が、ヘビーユーザーにしか届いていない、新規顧客やライトユーザーには響いていないこと、そして丸亀製麺のコアな戦略と強みである「自店舗製麺」が思ったほどに認知されていないことに注目しました。
そこでトッピングに一切触れず、「ここのうどんは、生きている」のキャッチコピーと、さらに「丸亀食感」と名づけたCMやプロモーションを打ち出しました。これにより売上はV字回復を果たしました。
まとめ
丸亀製麺の競合は他の外食企業だけではありません。自宅で手軽に食べられるチルドや冷凍食品も手強い競合です。外食しようと思った時に、うどんを食べることが選択肢にのぼる。そしてうどんを食べるなら「丸亀で食べる」。家では食べられない、他の店では食べられない、作りたて出来立てのうどんが丸亀製麺なら食べられる。顧客に食を通じた感動を提供する、企業の理念と戦略に立ち返り、表現することが丸亀製麺のブランドを蘇らせました。