セミナー・実践会・相談会でブランド課題を解決する

Case Study

経営戦略を具現化するブランドビジョンの意義  ーセブン&アイ・ホールディングスの中期経営計画を考察【後編】

投稿日:2021年9月21日 更新日:

前編では、下記の図のような一般的な経営の流れについて、ステップ1・2の検証をしてきました。今回はその後編です。

経営計画を立てた後、企業は経営計画を実現するため方法を模索して検討します。これが、経営戦略や経営戦術です。
そこで、ステップ3の戦略・戦術の立案に移ります。

経営計画を立てた予算を実現するためには、様々な観点から方法を検討しなくてはなりません。また、その方法についても、経営方針と異なるものを立案してしまうと、実現が不可能になるため、経営計画の実現方法についても、一定の方向付けが必要になります。これが経営戦略となります。

そして、実現の方向性である経営戦略が決まることで、具体的な実現方法である経営戦術が確定していくことになります。

 

小売業の場合で例を挙げてみます。

経営計画で、国内で売上高5%UPという経営計画が確定したとします。

その場合、国内で出店する店舗をおそらく100店舗増加させれば、この経営計画が達成可能であると算定できました。これが経営戦略となります。

そして、100店舗の出店を達成するためには、どの地域で店舗展開をすれば、最も売上高が上がるのかを検討します。検討結果として、東京都の都下(東京23区外)で、エリアドミナント方式で集中出店することが最上の手段であると決定しました。これが経営戦術となります。

 


 

では、これらを踏まえて、セブン&アイ・ホールディングスの中期経営計画を図で整理してみます。

 

このようなかたちで整理されました。

今回の中期経営計画の全体を俯瞰して眺めると、

 ・グローバル化を図ること
 ・テクノロジーを強化すること

が主要目標となっていることがわかります。
これらについて、さらに戦略面に焦点を当てて概要を整理してみます。

 > 続きを読む 

関連記事

リッツ・カールトン

ザ・リッツ・カールトンに学ぶ「ブランド体験」とは

(出典:https://www.ritz-carlton.co.jp/) CS(顧客満足)評価が高いホテルとして知られているザ・リッツ・カールトン(以後リッツ・カールトン)。実際に、CSに関する調査で …

カミソリ

「替え刃モデル」の歴史と未来〜ジレットのカミソリからアマゾンの発注ボタンまで〜

商品の本体を安く売って顧客を囲い込み、その後の消耗品やサービスで儲けるビジネスモデルは、1903年にカミソリの替え刃を発明したジレットが最初だといわれています。このビジネスモデルは色あせるどころかあら …

ブランドリニューアルの難しさを考察 アサヒスーパードライのブランドリニューアル【前編】

発売から30年を超えるロングセラー商品が、初の全面リニューアルを行うことになりました。 アサヒ、スーパードライをフルリニューアル 36年目で初 アサヒビールは1月6日、主力ブランドである「アサヒスーパ …

住みたい街ランキングの陰に「沿線ブランド」の力あり~阪急電鉄の沿線ブランディング~

近年、さまざまなメディアで「街の人気」が話題になっています。それをテーマにして、街の不動産屋さんを主人公にした漫画やドラマまで現れるほどです。街の人気は地域経済に多大な影響を及ぼすものですから、企業に …

明治 ザ・チョコレートのWebサイト

「明治 ザ・チョコレート」の4P分析〜実は激安戦略?〜

(出典:http://www.meiji.co.jp/sweets/chocolate/the-chocolate/) 2016年9月に発売してから1年間で約3000万枚を販売し、一大ヒット商品となっ …

サイト内検索