X

大阪王将の攻勢に見る、「色」の力

(前略)
中華料理店のイメージカラーに、新たな流れが起ころうとしている。大手チェーン店の「大阪王将」が、「赤・黒」を基調としていた看板の色を「黄色」に改装しているのだ。運営元の「イートアンド株式会社」によると、大阪王将が黄色い看板への改装を始めたのは、2018年11月から。2019年3月末現在、直営店38店舗、加盟店308店舗のうち、計7店舗が黄色い看板で営業しているという。注目すべきはその影響。2018年11月下旬に黄色い看板に変えた東京・西五反田店では、翌月の売上・客数が前月比で130%を記録したという。これら看板の影響もあってか、イートアンドの2019年3月期の売上高は、前年比3.5%増の約291億円となっている。

FNN PRIME 2019/5/14
中華料理店のイメージは黄色? 「大阪王将」が看板変えて売上増…色彩の専門家に聞いた

ブランディングにおけるクリエイティブの領域では、とかく「デザイン」や「コピー」といったテクニカルなレイヤーにばかり注意が払われがちだが、意外と見落としがちなのが色彩の持つプリミティブなパワーだ。

広告・ディスプレーの分野においては、しばしば「看板やファサードを暖色系にしたら来客が増えた」という半ば伝説的な(根拠の疑わしい)会話がなされるが、それが事実だったことを本ニュースは伝えている。

ちなみに、今回大阪王将が採用した黄色を主体としたカラーリングは、消費者に対して“気軽さ”、“(価格の)安さ”を感じさせる効果があるという。

片や飲食店の王道・赤を掲げる「王将」と、片や“必勝色”の黄をまとった「大阪王将」―-中華料理チェーンの熾烈なライバル関係を「色」の視点からながめてみるのもおもしろそうだ。

 

BRANDINGLAB編集部 執筆
株式会社イズアソシエイツ

 

Categories: 話題の事例
sc: