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イチロー引退とMLBのアジアでのブランディング戦略

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米大リーグ、マリナーズのイチロー外野手(45)が21日、現役引退を発表した。同日に東京ドームで行われたアスレチックスとの開幕シリーズ第2戦後に記者会見し、「きょうのゲームを最後に日本で9年、米国で19年目だった現役生活に終止符を打ち、引退することとなりました」と語った。

マリナーズのユニホーム姿で会見場に現れたイチローは「最後にこのユニホームを着てこの日を迎えられたことをたいへん幸せに感じている」と感慨に浸った。

2018年5月にマリナーズの会長付特別補佐に就任し、練習を続けながら現役復帰を目指した今季は、マイナー契約の招待選手としてキャンプに臨んだ。だが、深刻な打撃不振に陥り、来日前のオープン戦から24打席連続無安打のままシーズン開幕を迎えていた。

日本経済新聞 2019/3/21
イチローが引退発表 「後悔などあろうはずない」

あまりにも電撃的なイチロー選手の現役引退により、日本中の話題をさらったMLB開幕戦。日本のプロ野球とは一味も二味も違うダイナミックなプレーの数々は「さすがメジャー」と、私たちに本場のベースボールの醍醐味を味あわせてくれるものだった。

そんなMLBだが、米本国での人気は年々下降。観客動員数に至っては、この10年で約10%も減少している。ちなみに、2017年にワシントンポスト紙が実施した全米人気スポーツ調査では、1位NFL(アメリカンフットボール)、2位NBA(バスケットボール)に次ぐ3位。しかも、すぐ後ろには急伸するMLS(サッカー)が猛追している。このような背景を踏まえて考えれば、“イチロー引退”というドラマが、MLBのアジアブランディングにおける1大ミッションだったのではないかと考えるのも、あながち間違っていなそうだ。

 

BRANDINGLAB編集部 執筆
株式会社イズアソシエイツ

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