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「65型」が15万円台。大型テレビもアンチブランドの時代?

アイリスオーヤマは今月、テレビ事業に本格参入する。10月には、昨年からホームセンター向けにテスト販売する独自ブランド「LUCA(ルカ)」シリーズに、家電量販店向けに画質と音質を向上させた2モデルを追加。消費者の反応を見極め、本格参入への準備を加速させる。

10月に投入したのは、従来よりフレームが薄く画面がワイドな「ベゼルレスモデル」4機種(43~65型)と、音質を重視して画面下にスピーカーを搭載した「フロントスピーカーモデル」3機種(43~55型)。いずれも高精細の4K放送に対応させた(4K放送受信には別売りのチューナーが必要)。

参考価格は、両モデルの43型がともに税抜き7万9800円。最も大きいベゼルレスモデルの65型が同15万8000円。全国の家電量販店やホームセンターで取り扱い、初年度で計10万台の出荷を目指す。

河北新報 2019/11/6
アイリスオーヤマ、テレビに本格参入 今月から新商品投入へ

ひと昔前、テレビの消費といえばもっぱら「いかに高い機能を有しているか」というスペック軸で消費されていたが、最近では「必要最低限の機能さえあればOK」というコスパ軸で選ぶ新しい潮流が顕著だ。「テレビに多くの機能は求めない」という昔から一定数存在していた層(ニーズ)に対する受け皿がようやく登場したとも言えようか。

これはファッションにおける脱ブランド=ファストファッション化の流れとリンクするもので、高機能&多機能を追求しつづけた結果“ガラパゴス化”したナショナルブランド製品対するアンチテーゼと見てとれよう。

家電市場でここ数年、一世代前の技術を用いることで【単機能×高品質×低価格】を実現した“ジェネリック家電”の台頭が著しい。シャープや東芝、パナソニックのリストラ技術者を吸収しながら躍進するアイリスオーヤマはまさにその急先鋒的存在だ。

 

BRANDINGLAB編集部 執筆
株式会社イズアソシエイツ

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