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異色の販促コラボレーション企画 ガリガリ君とコカ・コーラ社

赤城乳業は7月9日から、「ガリガリ君スポーツドリンク味(ラグビー日本代表デザイン)」を発売する。価格は70円(税別)。

「ガリガリ君スポーツドリンク味」は、スポーツドリンク味のアイスキャンディーに、ガリガリ食感のスポーツドリンク味のかき氷を入れたアイスキャンディー。

今回の新商品は、「ラグビー日本代表オフィシャルライセンス商品」で、パッケージには、キャラクターのガリガリ君がラグビーをしている姿などが描かれている。

なお、「ガリガリ君スポーツドリンク味」の新商品発売に合わせて、スポーツ時の水分補給の呼びかけを、日本コカ・コーラとの共働により、店頭での訴求を図っていく(※同商品にアクエリアスは使用していない)。

excite ニュース 2019/7/4
夏の水分補給に「ガリガリ君スポーツドリンク味」

もはや夏だけではなく、年間を通しての定番商品となった、ガリガリ君。コーンポタージュ味やナポリタン味など、異彩を放つ味を発表して話題となってきたが、今回は味だけではなく、販促手法でも話題となっている。

かつての日本のスポーツ環境は劣悪で、運動後に身体を冷やしてクールダウンさせるなどとは考えられず、なおかつ運動中は水分補給など厳禁という、科学的裏付けのない、根性型の精神論が主流であった。しかし、現在ではそのような環境はだいぶ改善され、積極的な水分補給を勧めるようになった。

そんな、時代の変遷を感じさせるコラボレーションが、今回行われる。アイス会社(赤城乳業)と飲料会社(コカ・コーラ)による、共同販促キャンペーンである。

元々、コカ・コーラと赤城乳業は、両社共にマーケティング戦略に長けた企業として知られている。

赤城乳業は、近年「ガリガリ君」のアイスが大ヒットしたことで、「ガリガリ君」自体をブランド化させ、「ガリガリ君」を用いたハミガキ粉や入浴剤など、さまざまな企業と異色のコラボレーションを手がけてきた。さまざまな企業とのコラボレーションを行うことでマーケティング経験を蓄積させ、なおかつユニークな挑戦を行う会社だというイメージ戦略にも成功し、赤城乳業としてのコーポレート・ブランドも向上させることに成功した。

そのような赤城乳業が、今回のコカ・コーラ社とは、どのようなマーケティングコラボレーションを打ち出すか、注目していきたいところである。

武川 憲(たけかわ けん)執筆
一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会 シニアコンサルタント・認定トレーナー
株式会社イズアソシエイツ シニアコンサルタント
MBA:修士(経営管理)、経営士、特許庁・INPIT認定ブランド専門家(全国)
嘉悦大学 外部講師

経営戦略の組み立てを軸とした経営企画や新規事業開発、ビジネス・モデル開発に長年従事。国内外20強のブランド・マネジメントやライセンス事業に携わってきた。現在、嘉悦大学大学院(ビジネス創造研究科)博士後期課程在学中で、実務家と学生2足のわらじで活躍。
https://www.is-assoc.co.jp/branding_column/

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