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JAZZとは? 「ブルーノート」のブランドステートメント

数々の傑作を世に送り出し、世界中の音楽ファンを魅了し続けるジャズレーベル「ブルーノート・レコード」設立80周年を記念して製作されたドキュメンタリー「ブルーノート・レコード ジャズを超えて」が、9月6日公開される。

「ブルーノート・レコード」は、第2次世界大戦前夜のナチス統治下にあったドイツからアメリカに移住したアルフレッド・ライオンとフランシス・ウルフというジャズファンにより、1939年のニューヨークで立ち上げられた。アーティスト主導の録音体制を敷き、妥協することなく理想を求めるライオンとウルフの理念は、ジャズだけでなくアート全般、ヒップホップなど、ブルーノートの歴史に脈々と受け継がれてきた。

映画.com 2019/7/29
レーベル設立80周年ドキュメンタリー「ブルーノート・レコード ジャズを超えて」9月6日公開

「ポリシーは、クソみたいなレコードを出さないこと」とは米国の老舗ジャズレーベル「ブルーノート」の社長兼音楽プロデューサー、ベース奏者であるドン・ウォズことドナルド・フェイゲンソンの言葉だ。品のない言い回しだがブルーノート「ブランド」にしてみれば、この“ヒップ”なイシューはひとつのステートメントになるだろうか。

80周年を迎えたブルーノートは「ジャズレーベル」として知られているが、近年のラインナップはおよそ私たちがイメージする「ジャズ」の範疇に到底おさまらない広がりを見せる。

ロバート・グラスパーの一部のレコードはヒップホップに近いし、英国のゴーゴー・ペンギンのサウンドはエレクトロニカに近接。また、日本でも人気のノラ・ジョーンズも、ここ10年の音楽性は“フォーク・ロック”と呼ぶ方がしっくりくる。

ブルーノートが今日もなお新しいファンを獲得し続けている理由はステレオタイプのジャズを逸脱しようとする明確な意志にあるように思うのだ。

 

BRANDINGLAB編集部 執筆
株式会社イズアソシエイツ

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