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数字では測れないガンダムブランドの影響力

2019年でテレビ放送開始から40周年を迎えたアニメ「機動戦士ガンダム」。その存在感は長らく不動だったが、ファン層の高齢化などで「稼ぐ力」に陰りも見える。ガンダムと二人三脚で成長してきたバンダイナムコホールディングス(HD)は「ガンダムの次」を模索するが、先は見えない。君は生き延びることができるか――。

「ガンダム関連のIP(知的財産)売上高は683億円…ドラゴンボールは979億円」――。17年度末。バンダイナムコの決算を報告する会議で担当役員が数字を読み上げると、役員が居並ぶ会議室に緊張が走った。これまでIP売上高首位に君臨してきたガンダムが、ついにその座をドラゴンボールに明け渡したことが、決算で明確になったからだ。

「これまでの報告でもわかっていたが、あらためて数字になると…」。ある役員はこう感想を述べた。

日本経済新聞 2019/7/19
「ガンダム」40歳、次の主役を模索 バンナムHD

40年、幾星霜が流れたのだ。人気に陰りが見えてきたことよりも、いかに長く愛され続けてきたかを評価すべきではないか。

1979年の放送開始から現在にいたるまでその時代の子どもたちのみならず大人たちをも魅了し続けてきたロボットアニメの金字塔『機動戦士ガンダム』。かつては「子ども向け」とされてきたテレビアニメというメディアに大人の観賞にも耐えうる重厚なストーリーを持ち込んだ手法は、後の日本アニメに多大な影響を与えてきた。

お台場にそびえる巨大ガンダム像に集まる外国人観光客の姿を見れば、単なるアニメ作品の域を超越した文化的コンテンツと言っても過言ではない。誕生から90年を経たディズニーが世界中の人々を魅了し続けているように、日本のアニメが愛され続ける限り「ガンダム」ブランドは決して色あせることはないだろう。

 

BRANDINGLAB編集部 執筆
株式会社イズアソシエイツ 

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