X

ロングセラーの地位は、思い起こしのアピール?

ロングセラーを続ける“10円駄菓子”の「うまい棒」が今年発売40周年を迎えた。「チーズ」や「カレー」といった定番に加え、いまでも毎年1~2種類の新しい味を生み出しているのは、うまい棒ほかスナック菓子の企画・販売を手掛ける株式会社やおきんだ。なぜ、うまい棒は40年も不動の人気を保つことができたのか──。社長の角谷昌彦氏(55)に、これまでの歴史や苦労を振り返ってもらった。

(中略)

角谷:駄菓子は「安くておいしい」といったキーワードはもちろん、「楽しさ」や「嬉しさ」の要素も入っていなければ人気は続きません。そのため、うまい棒もロゴと共にパッケージのキャラクターを前面に出して他社とのコラボ商品などを数多く作って話題づくりもしてきました。今年は人気ゲームの「パズドラ」とコラボした商品やグッズも出していますしね。

(中略)

現在、謎のキャンペーンと題したプレゼント企画を実施していますし、8月にはうまい棒をテーマにクリエイターの方々に作品を作っていただき展示するアートイベント「うまい棒クリエイターズ2019」も開催する予定です。

また、11月11日を「うまい棒の日」として日本記念日協会の認定を受けましたので、その日のサプライズに向けてスマホにダウンロードできる時計アプリを開発中です。

BLOGOS 2019/6/23
「うまい棒」はなぜ40年間ロングセラーを続けられたのか

うまい棒は、発売から40年を迎え、いまでも年間7億本以上製造しているそう。国民1人あたり年間6本ちょっとは食べている計算になる。日本において、駄菓子文化の継承を担ってきたお菓子といえるだろう。

うまい棒のロングセラーの要因のひとつは、なんといっても発売以来「10円」という値段を変えていないことにあるのだろう。消費税の増税の変化に「ずっと変わらない値段」で攻め、10円でも満足いただけるような「おいしさ」、選ぶのに迷うような種類やパッケージなどが、成功を導いたと思える。

ただ、これだけでなく時代の進歩や消費者の慣れにより、放っておけばやがては飽きられてしまうところに、話題性を取り組んだ他社とのコラボ企画、ノベルティのコラボレーション、イベント開催など、消費者が思い起こしやすくする施策が、ロングセラーの地位を確立してきたのではないだろうか。

キャンペーンや施策の目的を明確にして、お客さま同士が誰かに話したくなる、会話が弾むなどのブランド体験がコミュニケーション戦略を行う上での肝要になる。生き残るためのブランド価値を高めていく施策に今後も注目したい。

 

はやま 紺(はやま こん)執筆
一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会 1級資格取得者 
紺デザイン ブランド・クリエイター
シンプルな思考で発想を転換、価値を伝えられないとあきらめていた起業家に価値の発掘、言語化、ビジュアル化を展開し課題解決をサポートしています。「世界観を形につながりたい人とつながるブランディング」を支援中。
http://kon-design.com/

Categories: 話題の事例
sc: