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有名になること?愛されること?どちらが大事?ZOZO、応募殺到でアルバイト募集停止へ

衣料品通販サイト「ゾゾタウン」を運営するZOZOは、募集していた物流倉庫のアルバイトの募集を15日正午に停止することを明らかにした。2日足らずで募集人数を超えたという。

前沢友作社長が自身のツイッターで「大変急ではありますが応募受付を明日の正午までとさせていただきます」と投稿した。応募者は全員面接し選考するという。

ZOZOのアルバイト大量採用についてネット上で「雇用が増える」と歓迎する声がある一方で、「正社員を増やすべきだ」と指摘する声も出ていた。

(中略)

勤務日数が週3日以下の場合、現在1000円の時給を1割、4日以上の場合は3割増やす。

ZOZOは独自の採寸スーツを使ったプライベートブランド(PB)商品の不振で2019年3月期の連結純利益が初の減益に転落。

(後略)

日本経済新聞 2019/5/14
ZOZO、応募殺到でアルバイト募集停止へ

10年ほど前のZOZOと言えば「地方にいながらにして好きなブランドの服が買える!」と陸の孤島と呼ばれる岐阜県出身の筆者は胸が高鳴った記憶が蘇る。当時“イケていない”ECサイトが多い中、洗練されたUIも好印象だった。ところが話題のゾゾスーツの不評で設立以来初の減益となった。先月末には突然ZOZOARIGATO会員が終了。ZOZO離れがニュースとなった。そして今回は新たに2000人のアルバイトを募集し応募が殺到した。

前澤社長の交際遍歴やバスキア作品の落札、総額1億円のお年玉企画等々、社長個人の話題も事欠かない。今や筆者の心の中においては「派手で革新的でチャレンジングな企業」というブランドイメージだ。かつてのスタートトゥデイの頃とは大きく変わってしまったように思う。

企業として当然ブランド認知は上げたいところではあるが、一方でブランドロイヤリティの視点を持ち続けることが重要ではないか。共感され愛されるブランドになるためには、やはり根幹となる理念から発し、意図して一貫したブランドイメージをコントロールする必要があるのだ。

 

平野朋子(ひらの ともこ)執筆
一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会 エキスパートトレーナー
Brand. Communication. Design. ブランドディレクター
戦略に基づいた世界観づくりにこだわり、同じ価値観でつながったお客さまのブランディング支援を実施。飛騨高山を拠点に場所に捉われることなく、都市部と地方を行ったり来たりするワークスタイルで子育てと仕事を両立中。一児のママ
www.brand-c-d.com

 

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