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エイプリルフール広告における“笑える”ボーダーラインとは?

セイコー プレザージュは、日本の美意識に根ざした琺瑯や七宝、漆など日本の伝統工芸を時計に取り込んできた。そのセイコー プレザージュが日本の伝統的な和菓子「煎餅」とコラボレーションし、「煎餅ダイヤル」モデルが誕生した。

(中略)

「煎餅ダイヤル」のラインナップは全部で3つ。原料である粗挽きの米に、濃厚な醤油を染み込ませた定番「醤油」は、ブラックレザーを合わせることで素朴さの中にも高級感が漂う。また、深みのあるブラウンで統一された「ごま」は、国産黒ごまの風味と、醤油の香ばしさのハーモニーがたまらない1本。そして、「ざらめ」は、高純度で上品な甘さの“ざらめ糖”をダイヤル全体に贅沢に散りばめており、その表面の輝きが手元を華やかに飾ってくれるので、女性にもおすすめだ。

FASHION PRESS 2019/4/1
世界で最も“味わい深い”新ウオッチ「煎餅ダイヤル」モデル発売

ダイヤルは煎餅でインデックスは海苔!?…腕時計にさほど詳しくない人でもひと目で“フェイク”と分かるニュースだ。にもかかわらず、最後まで記事に目を通してしまう理由は、ウィットとユーモアが勝っているからだろう。

毎年エイプリルフールになると、多くの企業が「エイプリルフール」にちなんだフェイク記事を配信するのはもはや通例だが、実際に笑える(=消費者が好意的に受け容れられる)表現は意外と少ない。特に近年は「悪ふざけ」に類する表現が多く、炎上するケースが目立っていた。

本ニュースが伝えるセイコーのエイプリルフールネタは、「腕時計」と「煎餅」というかけはなれた2つの事象に“熟練した職人にの手仕事”という共通項を見出すことで、私たちがクスッと笑える表現に落とし込んでいる。

 

BRANDINGLAB編集部 執筆
株式会社イズアソシエイツ

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