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スタバがまたも新店舗オープン 経営理念に基づく多店舗展開

スターバックス コーヒー ジャパンは3月20日、京都市中京区に、若いアーティストの80点以上のアート作品に囲まれながらコーヒーを楽しめる「スターバックス コーヒー 京都BAL店」をオープンした。

(中略)

今回は、代表である名和晃平氏が教授を務める京都造形芸術大学の授業の一環として、ウルトラサンドイッチプロジェクト14期生が空間作りや作品制作にも参画した。

流通ニュース 2019/3/25
スターバックス/京都に若手アーティストのアトリエのような新店舗

国内で多数の店舗が展開されているスターバックスコーヒーだが、最近では通常の店舗形態とは異なる、様々なコンセプトの店舗を出店している。

◆スタバ/中目黒の日本初「リザーブ ロースタリー」公開、バーも併設
(2019年2月27日 流通ニュース)
https://www.ryutsuu.biz/report/l022714.html

◆スターバックス/沖縄に持続可能がテーマの店舗、ドライブスルー併設
(2019年3月25日 流通ニュース)
https://www.ryutsuu.biz/store/l032520.html

一般的なチェーンストア理論で考えれば、このような多面的な店舗展開は、店舗オペレーションや本社業務において非効率な業務手法ではあるが、スターバックスコーヒーの経営理念を鑑みると、ブランドとして多面的な展開による顧客の体験価値創造こそ正しい試みとも捉えられる。

スターバックスコーヒーの経営理念(Our Mission and Valueより)
“人々の心を豊かで活力のあるものにするためにー
ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから“

スターバックスコーヒーは顧客に快適な居場所を提供することをValueとしている。そのため、戦略的に飲食店としてのチェーンストア理論にこだわらず、様々な店舗形態を常に模索し、顧客に複数の価値や感覚を提供し続けられるブランド価値を形成している。それは決して非効率なことではなく、企業として経営理念が体現できる戦略的なマーケティングであり、ブランドとして正しい判断ではないかと思われる。

 

武川 憲(たけかわ けん)執筆
一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会 シニアコンサルタント・認定トレーナー
株式会社イズアソシエイツ シニアコンサルタント

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