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10年で撤退。「フォーエバー21」はなぜ失敗したのか?

米ファストファッション大手フォーエバー21の日本法人は25日、日本国内の全14店舗を10月末で閉店すると発表した。オンラインストアも閉鎖する予定で日本事業からの撤退となる。「売り上げ不振で数年間、赤字を計上しているため」(同社)と説明している。

フォーエバー21は2009年4月に東京・原宿に日本1号店を出店。大都市圏を中心に店舗網を拡大し、ピーク時には国内で22店舗を展開していた。流行を取り入れた低価格な衣料品を短期間で製品化し、08年に日本に進出したスウェーデンのヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)とともに日本国内のファストファッションブームを起こした。

ただ、最近は若い世代を中心に洋服をネット通販で購入することが定着してきたほか、個人間で中古品を取引するフリマアプリの普及など、競争環境は厳しさを増していた。

日本経済新聞 2019/9/25
フォーエバー21、日本撤退 ファストファッション淘汰

「フォーエバー」のはずが、よもや10年での撤退になってしまうとは当の経営陣にとっても想定外の事態だったのではないか。

全米では500以上の店舗を構えるフォーエバー21が日本に進出してきたのは2009年のこと。ZARA(1998年進出)、H&M(2008年進出)に続くファストファッションのニューウェーブとして注目を集め、銀座・松坂屋に巨大店舗「XXI(エックスエックスアイ) at GINZA by FOREVER21」をオープン。‟西海岸発”のトレンドを採り入れたカジュアルとして大いに期待を集めたものだが、その後の道のりは決して順調ではなかったようだ。

原因のひとつとして挙げられてるのがデザイン面で、原色やアニマル柄などを多用した個性的なアイテムは着回しが難しく買う人が自ずと絞られていたようだ。国が変われば服の好みも変わる。世界基準で同一商品を販売するグローバルブランドならではの課題が浮き彫りになった格好だ。

 

BRANDINGLAB編集部 執筆
株式会社イズアソシエイツ

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