X

ムロツヨシ氏のイメージの変化 “おもしろい”に“優しい”もプラス

明治安田生命は15日、今春入社を控えた新社会人を対象に実施した、毎年恒例「理想の上司」ランキングを発表。男性編はお笑いコンビ・ウッチャンナンチャンの内村光良(54)、女性編は日本テレビの水卜麻美アナウンサー(31)が共に3連覇した。また、男性編では、ドラマや映画でめざましい活躍を見せている俳優・ムロツヨシ(43)が昨年圏外から2位に急上昇するなど、新たな顔ぶれも目立った。

男性編は、回答者1100人のうち9.5%が内村の名前を挙げ、2位の4.2%に倍以上の差で前年と同じく圧勝だった。2位のムロは昨年、『大恋愛~僕を忘れる君と』(TBS系)、『今日から俺は!!』(日本テレビ系)など話題の作品に相次いで出演し存在感を示した。従来の“おもしろい”キャラクターだけではなく、『大恋愛』でみせたような“優しい”新たなイメージが人気の理由となったようだ。

(ORICON NEWS 2019/2/15
「理想の上司」ムロツヨシが圏外から2位急浮上 内村光良&水卜アナは共に3連覇)

ムロツヨシ氏のブランド・イメージが変化した。勇者ヨシヒコシリーズに出演していたころのムロ氏を考えると、“おもしろい”イメージしかない。しかし「大恋愛」などへの出演が消費者(視聴者)への新しい「刺激」となって、彼らの頭の中のイメージが変化したのである。

ブランディングは消費者・顧客の頭の中のイメージを、企業が定義する「こう思ってもらいたい」という理想像に近付けていく、不断の活動だ。といっても頭の中のイメージは直接操作できないから、外部から与える刺激を制御するしかない。逆に、刺激の与え方を変えれば頭の中のイメージも変わってしまう。

ムロ氏の場合、イメージの幅が広がったことが、今後の活躍の幅を広げることにもつながりそうだ。しかし企業活動においては、これからやろうとする活動が、これまで積み上げてきたイメージにどのような影響を及ぼすのか、従来のイメージを破壊してしまわないか、慎重に検討する必要がある。

 

能藤 久幸(のとう ひさゆき)執筆
一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会 ディレクター・認定トレーナー
株式会社イズアソシエイツ

Categories: 話題の事例
sc: