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【誰にでもわかる!?】スターバックスから学ぶ3C分析

市場を分析する手法である3C分析は、マーケティングのフレームワーク(分析ツール)として知られていますが、ブランディングにおいても活用されています。
今回は、日本進出から20年あまりで1,000店舗を超える成長を遂げたコーヒーチェーン店、スターバックスの事例から3C分析を解説します。

3C分析とは?

3C分析の3Cとは、「自社(Company)」・「競合(Competitor)」「顧客(Customer)」という3つの環境のことを意味しています。そして、3つの環境についてそれぞれ

自社(Company)の強みと弱みは?
競合(Competitor)はどういったサービスを提供しているのか?(間接的な競合も考える)
顧客(Customer)のニーズや不満はどういったものがあるのか?

などと分析していきます。

ブランディングにおける3C分析

ブランド構築の最初のステップは「市場機会の発見」です。3C分析はPEST分析とともに、この「市場機会の発見」のために使われています。

※マクロ環境を分析するフレームワーク。フィリップ・コトラー氏が提唱したことで有名。

まず、最初のステップでは、競合・顧客(市場)・自社の情報を収集、整理し、ブランディングの目的を明確にするとともに、市場の機会がどこにあって、事業の可能性が何かを探ります。基本的なこととして、下図「3C分析」のように顧客ニーズを満たし、かつ競合が参入できない領域(スミ塗り部分)を探りましょう。これが、いわゆる「環境分析と市場機会の発見」です。

(出典:同文館出版 「社員をホンキにさせるブランド構築法」)


このように3C分析は自社の強みの中で、顧客ニーズを満たし、なおかつ競合が参入できない領域である市場機会を発見することに使われています。重要なのは「差別化のポイントをみつける」という視点です。

3C分析で見るスターバックス

スターバックスは1995年に日本に初上陸し、3年後の1999年には100店舗へと拡大しました。その後本格的に全国へと展開していき、現在1,000店舗を超える一大コーヒーチェーン店です。

今では数多くのコーヒーチェーン店が存在しますが、その中でもスターバックスの躍進は圧倒的なものでした。その理由について3C分析を使ってみていきたいと思います。

3C分析はPEST分析とともに併せて行いますが、今回は2007年に株式会社トライベック・ブランド戦略研究所が行った「好きなカフェとそのイメージ」というアンケートをもとに、当時の顧客目線からスターバックスの3C分析を行っていきます。

「自社(Company)」の強みと弱みは?

(出典:「好きなカフェとそのイメージ」http://japanbrand.jp/ranking/nandemo/5.html

上図のスターバックスが持たれているイメージは、そのまま強みといえます。

強み
・おしゃれ
・高級感がある
・コーヒーがおいしい
・居心地がいい
・こだわりがある
・サービスがいい

弱み
・庶民的ではない

「コーヒーがおいしい」と「おしゃれ」の項目では他社を圧倒しています。弱みとしては価格が少し高く庶民的ではありません。

「競合(Competitor)」はどういったサービスを提供しているのか?

直接競合:コーヒーチェーン店

  • ドトール・・・「庶民的」なイメージ。コーヒー1杯180円とリーズナブル
  • タリーズ・・・「おしゃれ」「高級感がある」が多くスターバックスと同じ路線ではあるが、「あてはまるものはない」が多く明確な違いが出ていない
  • エクセルシオール カフェ・・・「あてはまるものはない」が多く明確な違いが出ていない

庶民的なドトール

ドトールは1980年のオープン時、コーヒーを相場の半額である1杯150円で提供していました。
そこから現在も「庶民的」なイメージが根づき、「高級感」があるスターバックスとは正反対の位置にいます。

後を追うタリーズとエクセルシオール カフェ

スターバックス上陸の2年後の1997年に出店したタリーズは、元々アメリカでは同じシアトル系でスターバックスの競合でした。エクセルシオール カフェは、イタリアンエスプレッソを中心としたカフェでドトールがスターバックスに対抗するかたちで1999年に出店しています。2社ともにスターバックスと同じ路線にいますが消費者は特別な違いを感じられていないようです。

間接的競合

このアンケートにはないですが、間接的競合を考えることも重要です。スターバックスの場合、ファーストフード店、ファミリーレストランなどがそれにあたります。
また、2007年当時、コンビニは競合ではありませんでしたが、現在コンビニコーヒーは第3次コーヒーブームともいわれる人気があり、思わぬところからも競合が生まれることを痛感させられます。

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Categories: Case Study
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