X

1つ3000円のガトーショコラでわかるブランディング術

イタリアンレストラン・ケンズカフェ東京の「特選ガトーショコラ」は、縦6㎝横13㎝高さ5㎝ほど。この小ぶりなスイーツは3000円という高値でありながら、お取り寄せで飛ぶように売れているのです。今回はその見事なブランディング術を紹介します。

価格を上げたことで経営の危機を救った!


ケンズカフェ東京の特選ガトーショコラ

このガトーショコラはもともと現在の倍の大きさで、お店で1300円の価格で提供されていたもの。それを半分のサイズで1500円にしたところ「手土産」として好評に。しかし、ほぼ原価ギリギリであったため、経営も圧迫されていました。そこで2000円に値上げし、原料もパッケージも高級感を出す工夫をしました。すると客層も変わり、雑誌でも取り上げられるようになったのです。

こうして本格的にガトーショコラの物販を始めたものの、経営はまだ安定しませんでした。そこでテレビでの紹介を期に、今の3000円に値上げを実施。もとの価格と比較すると、同サイズあたり4倍の価格にまで上昇。この価格が話題となり、今や1日100本を売り上げるヒット商品となっています。

価格に見合うブランディングの取り組み


ケンズカフェ東京の特撰ガトーショコラ 動画

価格を上げるにあたって実施したことはいくつかあります。

まずパッケージや袋をさらに高級感をもたせたものに変更。また原料となるチョコレートはおいしさを追求するため、完全オリジナルのグランクリュショコラに切り替えました。サービス面ではクレジットカードを使用できるようにし、おつりのお札には新券を用意。ターゲットとなるセレブが喜ぶよう、商品・パッケージ・サービスすべてにおいてブランディングを行いました。

告知については特に重要と考え、常に新規顧客を開拓するつもりでさまざまなPR活動を続けています。例えば「YouTube」でレシピの公開を行ったり、食べブログなどのネット媒体を活用、地元のタウン誌に広告も出しています。また、百貨店の催事や料理教室出店するなど、積極的に多くの人に商品を知ってもらうための取り組みを行っているのです。

この事例からわかることは、ターゲット層の明確化、それに見合う「格」の付加価値、告知の重要性です。自社のブランディングの参考にしてみてはいかがでしょうか?

Categories: Case Study
sc:
Related Post