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瀕死のコロナ禍エンターテインメントビジネスの活路とは  ― ディズニーランドの生き残り戦略 【後編】

前編では、オリエンタルランドのビジネスモデルの利益構造について、分析をしてみました。
後編では、今後のオリエンタルランドのブランド戦略について検討していきます。

今回使用するフレームワークは、BCGのアドバンテージマトリクスです。著名なコンサルティングファームであるボストンコンサルティンググループの提唱したフレームワークで、企業の持つブランド競争優位性を分析する際に使用できます。このフレームワークでは、2軸で検討して、事業のタイプを4つに分類した上で、内容を検討していきます。

2軸については、
「競争となる要因が多いのか少ないのか」
「優位性を確保できる可能性が高いのか低いのか」
を基本として考えます。

更に、その事業の4つのタイプについては、下記のように分類します。
① 特化型事業
② 規模型事業
③ 分散型事業
④ 手詰まり型事業

ちなみに、利益を確保しにくい事業のタイプは、「分散型」と「手詰まり型」です。
では、その4つのタイプについて解説していきたいと思います。

① 特化型事業
業界の競争要因が多く、自社の優位性を確保できる可能性が高い事業が該当します。
主に、何らかの特定となる分野で強みを持つことによって、競合に対する優位性を確保することができます。例としては、医薬品などが挙げられます。

② 規模型事業
競争となる要因が少なく、自社の競争優位性を確保できる可能性が高く、規模の経済が働きやすい事業が該当します。
例としては、流通小売業が挙げられます。店舗数の多さや売上高の大きさによって購買力を高め、仕入原価を下げて販売価格の競争力を向上させ、業界をバイイングパワーで上回ることで規模の経済を効かせます。

③ 分散型事業
競争の要因が非常に多くあるために、自社の優位性を確保することが困難である事業が該当します。
規模の経済が効かず、大企業のような業界を牽引するプレイヤーが存在していない事業が対象となります。例としては、個人経営の飲食店などが挙げられます。

④ 手詰まり型事業
競争要因が少ない上に、優位性を確保できる可能性が低い事業が該当します。
このような事業は既にライフサイクルの衰退期に入っており、差別化することも困難であり、そもそも利益を上げていくことが難しい場合が多いです。例としては、個人商店などです。

最終的には、下記のようにこれらを全て1つの表にまとめることで、マトリクスが完成します。

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Categories: Case Study
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