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誰が食べるのか!?チョコ味のやきそばのブランディングを考える

(出典:https://www.myojofoods.co.jp/ippei/

ここ数年、カップ麺市場では多くのメーカーがユニークな新商品を発売しているのが目立ちますね。今回はこれらのユニークな新商品からブランディングについて考えていきます。

日清のカップヌードルビッグ謎肉祭

(出典:https://www.nissin.com/jp/news/5571

ここ最近話題になったのが日清の「カップヌードルビッグ謎肉祭 肉盛りペッパーしょうゆ」。もともとカップヌードルに入っている肉の原材料が独特な形状をしていたためインターネット上で一部の消費者から謎肉と呼ばれていました。通常、原材料がわからないとなればブランドにとってはマイナスのイメージとなるものですが、それを逆手にとったのが日清のスゴさです。インターネット上の一部の呼称を、販売元が商品に使ったことで大きく話題となりました。結果的に販売から3日後に生産計画が追いつかず販売中止になったのも記憶に新しいところ。

ユニークな商品が話題のカップ麺市場

最近では、日清以外でもカップ麺業界自体が新たな試みを行っています。特徴的なのは、一目で違和感を感じる商品であるという点です。

具体的には、

バレンタイン商戦を意識したもの

・甘ーいきつねうどん

(出典:http://www.maruchan.co.jp/products/search/3447.html

明星 一平ちゃん夜店の焼そば チョコソース

(出典:https://www.myojofoods.co.jp/news/5688.html

ペヤング チョコレートやきそばギリ

(出典:http://www.peyoung.co.jp/products/632/

プレミアム、リッチがキーワードとなるもの

・カップヌードル リッチ 贅沢だしスッポンスープ味
・カップヌードル リッチ 贅沢とろみフカヒレスープ味

(出典:https://www.nissin.com/jp/news/5122

一部の具材を大盛りにしたもの(パクチーや謎肉、ワカメなど)

ペヤング わかめMAXラーメン醤油

(出典:http://www.peyoung.co.jp/products/593/

ペヤング パクチーMAXやきそば

(出典:http://www.peyoung.co.jp/products/625/

などがあります。

定番商品だからこそできる商品展開

共通しているのが、違う商品を新たに開発するのではなく、定番商品のフォーマットを使って新たな提案を行っている点です。こうした商品の展開を行うことで、「私の知っている○○がこんな変わったものになってる」というギャップが生まれ消費者を引きつけています。ブランド力のある定番商品だからこそ意図的にこういった手法が可能になっていますね。

こうした動きはカップ麺業界以外にもあり、ジンジャーエールの炭酸を強くしたものやチューハイのアルコール度数を9%にしたもの。また、アイスのガリガリ君は20種類以上の商品ラインナップがあり「大人なガリガリ君」「ガリガリ君リッチ」などプレミアム志向のものも発売しています。

バレンタインを意識したものは、SNSで拡散されることを狙っているとも言えます。
一平ちゃんのチョコ味について明星食品のマーケティング部長は

「毎月リリースしている新味の一平ちゃんの中では、断トツの反響をいただきました。もしかしたら明星食品全体でも、ここ数カ月で一番反響があったかもしれません」

(出典:http://rocketnews24.com/2016/01/29/701062/

と語っています。

一方で変わった味を作る時には「お金を出して食べたのに…不味い」と非難されたりクレームになったりと諸刃の剣となることも考えなければならず、真似をすれば良いというわけではなさそうです。

コンテンツは消費者といっしょに作る時代

SNSの普及に伴い消費者の口コミ、いわゆるバズが発生したらメーカー側も積極的に便乗するケースも多いです。

最近では、
・ラ王つけ麺魚介醤油を油そばにアレンジ
・どん兵衛10分

などメーカーの想定していなかった食べ方がインターネットやSNS上で広がり、最終的には日清がWebサイト上で新しいレシピとして紹介するまでになりました。

(出典:http://www.rao.jp/uramenu/special1.html

(出典:http://www.donbei.jp/10min/

メーカーと消費者のコミュニケーションが活発になって、マーケティングミックスにおけるPromotionとCommunicationが相乗効果を生んでいます。

今回はカップ麺のユニークな商品に注目しました。ブランドの歴史があればこそできることで、歴史があるからこそ新しい試みが必要だと思わされます。こうしたユニークな商品は、それ自体がSNSで拡散されやすく広告的な意味合いも持つため、ますます増えていくことでしょう。

Categories: Branding Method
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