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ベタなネーミングはヒットの予感 携帯用歯みがきセット「MIGACOT(ミガコット)」

ライオン株式会社が2020年4月1日、携帯用歯みがきセット「MIGACOT(ミガコット)」を発売しました。ケースのキャップがうがいのコップになっていたり、ケースに通気口が付いていて衛生的だったりと機能面がとても工夫されています。またメインターゲットの女性層に配慮し、コップの色は口紅が目立たないようにダークカラーを用い、本体の色はビビッドカラーを含む3色のバリエーションを用意。職場に置いても恥ずかしくないようにケースは自立し、あえてブランド名を表示しないなど、これでもかというくらい携帯用歯ブラシの機能的・情緒的ベネフィットを追求しています。
しかし、BRANDING LABが注目するのは「ミガコット」というネーミングです。ライオンによると、「ミガコット」には、

職場など様々なシーンで、余計なことを気にせずに『歯をみがこっと!』と思っていただきたい。前向きな気持ちを応援したい。という思いを込めています

ライオンニュースリリース2020年1月8日
オフィスでの昼歯みがきに!“ちょっと気が利く”コップ付きオーラルケアセット『MIGACOT(ミガコット)クリニカアドバンテージハミガキ・ハブラシセット』『MIGACOT(ミガコット)ケース』新発売

とのことです。機能的ベネフィットがすぐさま連想できる良いネーミングだと思います。
「ミガコット」のように日本語の動詞を用いた「ベタな」ネーミングは、多数あります。

 

日本語動詞由来のネーミング事例

商品名・サービス名・社名 事業・商品の内容 ネーミングの由来
ミガコット 携帯用歯ブラシセット 「歯をみがこっと」
ミチャー ヘアアレンジ用の鏡 「見ちゃあ」(博多弁)
のどぬ~る のどの殺菌用綿棒 「のどに塗る」
アスクル 事務用品通信販売 (商品が)「明日来る」
ラクスル 印刷物ネット通販 「楽に刷る」
イコカ ICカード乗車券 「行こか」(関西弁)

こうして見ると、商品やサービスに新規性があるときに、日本語動詞由来のベタなネーミングが用いられるようですね。新規性のある商品やサービスだと、用途の想起がなかなかされにくいため、ネーミング一発でベネフィットを想起させる必要があるからだと思われます。

ただし、ベタならばいいわけではないと思います。大日本印刷のマーケティングツール「ウレルカ」は確かにキャッチーですが、売れるのか、売れないのか。ひょっとしたらネガティブな印象を与えるかもしれません。

ともかく、「ミガコット」が職場での歯みがきという新たな習慣を作り出せるか。注目です。

 

 

BRANDINGLAB編集部 執筆

株式会社イズアソシエイツ

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