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うんこが生み出す、子供から大人への世代間リバースイノベーション

8月9日、東京・お台場の商業施設、ダイバーシティ東京 プラザに「うんこミュージアム TOKYO」がオープン。横浜では開業4ヶ月半で約20万人を動員した人気ミュージアムが、東京に初上陸を果たした。“MAXうんこカワイイ”をコンセプトに掲げ、さらなる進化を遂げた同ミュージアムを、女性記者が体験してきた。

「うんこミュージアム」初体験の記者にとっては、何から何まで新鮮だった。入った瞬間、ノリノリのスタッフから「うんこ」と大きな声で言うように求められ、初めは面食らったが、何度か口にしているうちに抵抗感はどこへやら。気づけば「ナイスうんこー!」という言葉が飛び交う非日常的な空間に、自然と染まっていた。

(中略)

うんこをエンターテイメントへと昇華させ、 “カワイイ”という新たな価値観を加えた「うんこミュージアム TOKYO」。一歩ミュージアム内に入れば、きっと誰もが笑顔になってしまうはず。自分を開放して、「うんこ」と思い切り叫んで、とびきりカワイイうんこワールドを楽しもう!

2019年8月12日 ウォーカープラス 水梨かおる氏 署名記事
かわいすぎる“うんこワールド”に大興奮!
お台場の「うんこミュージアム」へ行ってみた

予想外に空前のヒットとなった、「うんこドリル」。その後、うんこ関連のアイテムは子供の間で大ブームとなったが、今度はうんこをテーマとした、ミュージアムがヒットしている。

ミュージアムの施設は、大人から子供まで楽しめるように設計されており、うんこをモチーフとして、様々な手法を用いて、うんこをテーマにしたアトラクションやオリジナルグッズ、アートなどが展開されている。

元々は、子供向けのコンテンツとして拡大されてきたうんこ関連のマーケティングが、今度は大人に環流していくという流れが巧みであり、この試みが成功するかどうかが、今後の全世代向けのヒット商品に向けてのKFS(※)となるところである。

かつて、子供向けの玩具として大ブームとなったファミコンは、やがて大人向けのコンテンツが拡大し、全世代向けのヒット商品となった。そして、子供向けのテーマパークであったディズニーランドは、現在では大人も楽しめる場所として業績を伸ばし、業態を変えたディズニーシーなども開設されるような成功を収めている。

今後、うんこブームが、子供から大人への世代間におけるリバースイノベーションへと至るのか、注目してきたいところである。

※KFS(Key Factor for Success)=企業を成功へと導く、重要な成功要因のこと。成功のカギとも言われる。

武川 憲(たけかわ けん)執筆
一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会 シニアコンサルタント・認定トレーナー
株式会社イズアソシエイツ シニアコンサルタント
MBA:修士(経営管理)、経営士、特許庁・INPIT認定ブランド専門家(全国)
嘉悦大学 外部講師

経営戦略の組み立てを軸とした経営企画や新規事業開発、ビジネス・モデル開発に長年従事。国内外20強のブランド・マネジメントやライセンス事業に携わってきた。現在、嘉悦大学大学院(ビジネス創造研究科)博士後期課程在学中で、実務家と学生2足のわらじで活躍。
https://www.is-assoc.co.jp/branding_column/

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